2009年2月17日火曜日

asahi science genetic biology wild wolf dog North America

犬に交われば黒毛オオカミ 雑種化進み遺伝子受け継ぐ?

2009年2月17日14時29分

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写真米イエローストン国立公園内の灰色のオオカミ(左)と黒いオオカミ=サイエンス提供

 北米のオオカミで毛色が黒っぽいものは、犬から毛色が黒くなる遺伝子をもらったとする説を米スタンフォード大などの研究グループが打ち出した。オオカミの家畜化で生まれた犬との交雑で起きたとみられる。米科学誌サイエンス電子版に掲載された。

 北米のオオカミは、北極圏のツンドラ地帯では白や灰色の明るい毛色を持つのがほとんどだが、森林地帯では毛色の黒いタイプが多い。黒い方が森林で身を隠すのに有利なためと考えられる。

 グループは犬の毛色を黒くする遺伝子変異が、黒い毛のオオカミでのみ起きていると特定。DNA配列の解析から、この遺伝子変異は犬を起源としており、交雑したオオカミに毛色が移ったと推測されたという。

 犬は、1万5千〜4万年前に東アジアで別種のオオカミから家畜化され、1万4千年ほど前に当時陸続きだったベーリング海峡を人とともに北米にわたったとされる。

 石黒直隆・岐阜大応用生物科学部教授は「オオカミと犬の雑種化が予想以上に進んでいたことを示す研究だ」と話している。(本多昭彦)



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