キトラ古墳 漆喰はぎ取り集中化、3年程度の終了めざす
極彩色壁画のはぎ取りが昨秋で終わった奈良県明日香村のキトラ古墳(特別史跡、7世紀末〜8世紀初め)について、文化庁は10日、石室内に残る漆喰 (しっくい)の余白部分のはぎ取り作業の回数を今後、減らす代わりに、1回あたり約1カ月間集中して実施する方針を明らかにした。
同古墳では、「四神」や天文図のほか、十二支像の「子(ね)」「丑(うし)」「寅(とら)」などがはぎ取られたが、余白部分の泥の下に「辰(た つ)」「巳(み)」「申(さる)」が描かれている可能性がある。回数を減らし、温度が高くなる夏場は石室を密閉するなどして作業員の出入りに伴う温度上昇 を抑え、カビによる漆喰の劣化などの被害を防ぐのが狙い。はぎ取り作業は現在、毎月3日間ほど実施しているが、年2、3回に絞り、1回につき約1カ月間取 り組む考え。作業を担当する東京文化財研究所保存修復科学センターの川野辺渉・副センター長は「現状では作業終了まで4、5年かかる。集中実施で3年程度 での終了を目指したい」と話している。
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