遠藤周作「沈黙」映画化へ スコセッシ監督メガホン
来日し、踏み絵のレプリカを見る美術監督のダンテ・フェレッティ氏(左)=10日午後、長崎市の長崎歴史文化博物館、水野義則撮影
米国の映画監督マーティン・スコセッシ氏が夏にも、遠藤周作の小説「沈黙」を題材にした映画撮影を始める。美術監督らが10日、舞台になった長崎県を訪れ、ゆかりの地を巡った。映画化は篠田正浩監督の「沈黙 SILENCE」(71年)以来で、海外では初めてだ。
美術監督のダンテ・フェレッティ氏やプロデューサーのベネット・ウォルシュ氏らが、長崎市の長崎歴史文化博物館や遠藤周作文学館などを訪れた。フェレッティ氏はアカデミー賞の美術賞を05、08年に受けた。同博物館で踏み絵のレプリカを手にして、興味深そうだった。
ウォルシュ氏は「素晴らしい原作なので楽しみだ。主人公の心の変化を描くのは難しいが、監督は美しい形で表現するでしょう」。フェレッティ氏らは14日まで、平戸や五島の隠れキリシタンの地などを訪れる予定。
スコセッシ監督は「タクシー・ドライバー」で76年、カンヌ国際映画祭の最高賞を受けた。07年は「ディパーテッド」でアカデミー賞の監督賞と作品賞に 輝いた。自身もカトリック教徒で、10年以上前から「沈黙」の映画化を熱望していたという。8月にもニュージーランドで撮影を始め、来秋の公開を目指す。 日本で撮影するかどうかは未定という。
配役は3月に決まる予定。主人公の司祭ロドリゴ役として「チェ」2部作で主演のベニチオ・デル・トロのほか、08年にアカデミー賞主演男優賞を受 けたダニエル・デイ・ルイスやガエル・ガルシア・ベルナルと交渉中。日本人俳優のオーディションも進めているという。(小島泰生)
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