姿は違うが…親子と判明 3科の深海魚、DNAほぼ一致
ソコクジラウオ科は雄とわかった。長さ約6センチ
クジラウオ科は雌とわかった。長さ約10センチ
リボンイワシ科は子どもとわかった。全長80センチになるのもいる=いずれも国際研究チーム提供
これまで別ものとされてきた深海魚の三つの科が、ひとつにまとめられそうだ。日米豪の国際研究チームが、3科が成長とともに姿を大きく変える魚の子ども、雄、雌にあたることを明らかにした。英専門誌バイオロジー・レターズ(電子版)に発表した。
キンメダイに近い仲間のリボンイワシ科、ソコクジラウオ科、クジラウオ科の3科で、それぞれ体長の5倍以上もある長いリボン状の尾、肥大した嗅覚(きゅうかく)器官、クジラのような顔つきといった特徴をもつ。
見直しのきっかけは、チームに加わる千葉県立中央博物館と東京大海洋研究所などが03年に発表した論文。魚類100種のミトコンドリアDNAの塩基配列 を比べたら、リボンイワシ科とクジラウオ科にほとんど差がなかった。この結果に米豪の学者から疑問が出されたが、共同研究により、ソコクジラウオ科まで含 めた3科のDNAにほとんど差がないことがわかった。
世界中の標本を調べると、リボンイワシ科は成熟個体がなく、ソコクジラウオ科は雄ばかり、クジラウオ科は雌ばかりということも判明。チームは3科をクジラウオ科に統一するよう提唱する。
魚で親子や雌雄の姿が違うことは珍しくないが、同館の宮正樹・動物学研究科上席研究員は「この仲間の姿の違いは魚類学者の想像を超えていた」という。(米山正寛)
0 件のコメント:
コメントを投稿