国際的グラフィックデザイナーの福田繁雄さん死去
福田繁雄さん
視覚のトリックを駆使した遊び心あふれるポスターや彫刻などで知られるグラフィックデザイナーの福田繁雄(ふくだ・しげお)さんが11日午後10時30分、くも膜下出血で死去した。76歳だった。葬儀は近親者で終えた。
戦後に登場した新世代のグラフィックデザイナーの一人として国際的に活躍した。単純な構図や明快な造形に、錯視や錯覚を利用しただまし絵的なデザインで「日本のエッシャー」などとも呼ばれた。
東京生まれで、56年東京芸大を卒業。味の素勤務などを経て58年に独立した。
67年、大阪万博の公式ポスターを作製。75年にポーランドで開かれた「戦勝30周年記念ポスターコンペ」で、弾丸が逆向きに大砲の砲筒に飛び込んでくるポスター「VICTORY」が最高賞をとった。
97年、紫綬褒章を受章。00年から、日本グラフィックデザイナー協会会長を務めた。
長女で画家の美蘭さんが幼かった時に、遊び道具として考案した玩具をきっかけにして、彫刻などの立体表現へ幅を広げた。川崎市市民ミュージアムに設置された「時」(88年)など、多くの公共デザイン・彫刻などを作った。
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