第3のビール「味」重視の開発競争 08年、発泡酒抜く
「第3のビールは安いから」と手軽に買っていく人も多い=15日、東京都内のスーパー
消費の冷え込みが厳しさを増す09年は、割安な「第3のビール」がさらに躍進しそうだ。ビール、発泡酒とあわせたビール系飲料全体の市場が縮むなか、大手各社はそろって「味」を磨いた第3のビールの販売強化に重点を置く。
15日にまとまった08年のビール系飲料の国内市場シェアは、発売6年目の第3のビールが23.7%で、23.3%の発泡酒を初めて抜いた。発泡酒は 「糖質オフ」などの製品は根強い支持があるものの、6年連続で前年を割り、ビールもピークだった94年の半分以下に落ち込んだ。
第3のビールでは、キリンビールの「のどごし生」の販売数量が初めて4千万ケース(1ケースは大瓶換算で20本)を超えた。アサヒビールの「クリ アアサヒ」、サントリーの「金麦」も、ヒットの目安とされる1千万ケースを突破し、サッポロビールの6月発売の「麦とホップ」も、当初目標を上回る500 万ケースに達した。
第3のビールが急伸しているのは、価格が安く節約志向の時代に合っているうえ、味の幅が広がったことが大きい。350ミリリットル缶のコンビニエ ンスストアでの店頭価格は、第3のビールが140円前後。ビールより75円程度、発泡酒と比べても20円ほど安い。発泡酒より麦芽を多く含むタイプで新商 品の開発が進み、味がビールにより近く、アルコール度数の高い商品も登場。発売当初の「軽い」「すっきり」というイメージから変化している。
09年の大手4社の第3のビールの販売計画は合計で前年実績の18.3%増。家庭での存在感はさらに高まりそうだ。(伊藤裕香子)
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