2009年1月22日木曜日

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オバマ米大統領就任 「新たな責任の時代」

2009年1月21日10時52分

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写真20日、大統領就任式で宣誓するオバマ新大統領=AP

写真20日、ワシントンでの就任式で、リンカーン大統領が宣誓の際に使った聖書に手を置いて宣誓するバラク・オバマ氏。聖書を持つ手はミシェル夫人=AP

 【ワシントン=小村田義之】米国が歴史を一つ塗り替えた。民主党のバラク・オバマ前上院議員(47)は20日正午(日本時間21日午前2時)、連邦議会 議事堂前での就任式で、米史上初のアフリカ系(黒人)の第44代大統領に就任した。オバマ氏は就任演説で「今求められているのは、新たな責任の時代だ」と 述べ、米国の再生に向けて米国民一人ひとりの協力を求めた。

 200万人以上の大群衆を前にオバマ氏は、歴代の大統領がしばしば危機の時代に就任の宣誓をしてきた、と指摘。「そのような時を米国が耐え抜いて きたのは、国民が先人の理想に忠実で、(独立宣言などの)建国時の文書に忠実だったからだ」と述べ、テロ対策を何より優先させたブッシュ政権時代に傷つい た米国の伝統的な価値観への回帰を呼びかけた。

 米国の現状については「我々は危機のさなかにいる。我が国は戦時下にあり、経済はひどく疲弊している」との認識を表明。「この難問は現実のものだ。短期間では解決できない。しかし、乗り切ることはできる」と語った。

 オバマ氏は「私たちは自らを奮い立たせ、アメリカを再生する仕事に取りかからなければならない」と呼びかけた。さらに「今求められているのは、新 たな責任の時代だ。それは、一人ひとりの米国人が、私たち自身と我が国、世界に対する責任があると認識することだ」と述べ、米国の再生の作業への自覚と参 加を求めた。

 一方、世界との関係については「米国は再び主導する役割を果たす用意がある」と宣言。またイラク駐留米軍の撤退と、アフガニスタンの平和構築に努 力する意向を示した。テロリストに対しては「先に倒れるのは君たちだ。私たちは必ず君たちを打ち負かす」と強い姿勢を強調した。

 「米国は新たな平和の時代を導く役割を果たさなければならない」とも語った。そのうえで「イスラム世界に対して、私たちは共通の利益と相互の尊敬 という理念に基づき、新たな道を模索する」と宣言。穏健派イスラム世界との関係構築に意欲を示した。一方で「紛争の種をまく指導者」に対しては「握りしめ たその拳を開くのなら、私たちは手を差し伸べよう」と態度の変化を促した。

 オバマ夫妻は20日午後、バイデン副大統領夫妻らとともに、議会からホワイトハウスまで約2.5キロのペンシルベニア通りなどでの就任パレードに参加。途中でリムジンを降り、観衆に手を振りながら歩く場面もあり、早朝から待っていた人々が大歓声をあげて迎えた。



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