2009年1月22日木曜日

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変化の政権、手堅い顔ぶれ 米新政権スタート

2009年1月21日7時43分

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18日、ワシントンのリンカーン記念堂で手を振るオバマ米新大統領夫妻とバイデン新副大統領夫妻=AP

 【ワシントン=小村田義之】オバマ米新大統領が率いる政権の主要メンバーは、リチャードソン・ニューメキシコ州知事が献金疑惑で辞退した商務長官ポスト を除き、20日までに固まった。手堅い顔ぶれがそろっているのが特徴だ。外交・安全保障や経済危機、エネルギー・環境などの課題をにらみ、経験や能力を重 視した。変化を生み出す「賢い(smart)政府」(オバマ氏)を目指しているようだ。

 イラク、アフガニスタンの二つの戦争を抱える外交・安全保障分野では、ゲーツ氏を国防長官に留任させた。大統領を補佐するのは海兵隊総司令官だっ たジョーンズ氏。国務長官にはヒラリー・クリントン氏を据え、外交通の副大統領バイデン氏も絡んで重鎮ぞろい。いずれも経験は十分だが、チームとして十分 機能するかが問われる。

 経済危機への対応も、経験重視の姿勢が鮮明だ。国家経済会議(NEC)議長としてホワイトハウスから政府全体をにらむのは、クリントン政権で財務長官を務めた大御所サマーズ氏。財務長官になる40代の若手ガイトナー氏は、財務省時代にサマーズ氏の腹心だった。

 経済と絡む形でエネルギー・環境も重視し、太陽光や風力発電など再生可能なエネルギー開発への投資などで雇用創出を狙う。「看板」となるエネル ギー長官にはノーベル賞物理学者のチュー氏を指名。実務面は、クリントン政権で副大統領を務めたゴア氏に近い環境行政のプロ、ブラウナー氏を政策調整の新 設ポストに起用する。

 少数派をバランスよく配置し、米国民の「結束」も演出した。女性5人、アフリカ系(黒人)4人。ヒスパニック2人、日系と中国系のアジア系2人、アラブ系1人。「最も多様性のある政権」(米ワシントン・ポスト紙)との見方が、もっぱらだ。

 国防長官のゲーツ氏と運輸長官のラフッド氏は共和党からの登用。上院議員、下院議員、州知事など個々の経歴も様々だ。選挙戦で民主党内のリベラル派の支 援を受けてきたオバマ氏だが、その後押しだけでは政権運営が難しいとの判断もあってか、中道寄りの「穏健派チーム」(同紙)となっている。

 ただ、各方面に配慮した結果、政権全体の方向性は見えにくい。ニューヨーク大のポール・ライト教授(公共政策)はこの政権を「それぞれの人が、自 分の求めるものを見ることが出来るプリズムだ」と同紙に語った。政権がスタートすれば八方美人ではいられず、「いずれかの時点で、オバマ氏は困難な決断を 迫られる」(ライト教授)と見られている。



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