2008年6月5日木曜日

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ルリカケス、希少種指定解除へ 生息数回復で全国初

2008年06月04日00時32分

 鹿児島県の奄美大島とその周辺の島にしか生息していない国の天然記念物ルリカケスについて、環境省は、種の保存法に基づく国内希少野生動植物種(希少 種)の指定から外す方針を発表した。天敵の減少や環境保全で、ルリカケスの生息状況が回復傾向にあるためという。動植物の希少種指定が解除されるのは全国 で初めて。

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希少種指定が外される見通しのルリカケス=奄美大島、斎藤徹撮影

 環境省野生生物課によると、奄美大島ではルリカケスを捕食する外来種のジャワマングースの駆除が進み、天然林も回復傾向にあるという。同省が07 年度に実施した鳴き声の聞き取りや目視の調査でも、ルリカケスの生息状況に悪化が見られなかったことから、希少種指定の条件の「存続に支障をきたす事情」 が認められないと判断した。現在、少なくとも1千羽が生息しているとされる。

 指定解除には同法施行令を改正する必要がある。このため中央環境審議会の審議をへて8月にも閣議決定される。

 ルリカケスは鹿児島県の県鳥。カラス科で体長約38センチ。93年、希少種に指定された。頭や翼のるり色と胴体の赤茶色が美しく、20世紀初めに帽子の飾り用の羽根に使うため乱獲された。

 国内の希少種は動植物合わせて73種。捕獲や採取は禁じられている。そのうち奄美群島には鳥類を含む動物6種と植物3種が分布。ルリカケスに加 え、アマミノクロウサギやオーストンオオアカゲラ、オオトラツグミなども奄美にしか生息しておらず、とくにオオトラツグミは200〜300羽しかいないと いう。

 希少種の指定解除について同課は「住民の自然保護の努力が報われた。奄美がめざす世界自然遺産登録にも有利に働くのでは」としている。(文と写真・斎藤徹)




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