2008年6月6日金曜日

asahi society government aboriginal people Hokkaido Ainu

「アイヌ民族は先住民族」政府に認定求める国会決議採択

2008年06月06日10時56分

 アイヌ民族を先住民族として認め、関連する政策をさらに推進するよう政府に求める国会決議が、6日午前の参院本会議で全会一致で可決、採択された。同日午後には衆院本会議でも採択される。

写真

決議の採択を見届け、笑顔を見せる北海道ウタリ協会の人たち=6日午前、吉本美奈子撮影

 決議は、(1)アイヌの人々を日本列島北部周辺、とりわけ北海道に先住し、独自の言語、宗教や文化の独自性を有する先住民族として認める(2)高いレベルで有識者の意見を聴き、アイヌ政策をさらに推進する——の2点を政府に求めている。

 また、「我が国が近代化する過程で、法的には等しく国民でありながらも差別され、貧窮を余儀なくされた歴史的事実を私たちは厳粛に受け止めなければならない」と、歴史的経緯にも言及している。

 政府はアイヌ民族を明確に先住民族と認めておらず、ただちに見解を変更する考えはないものの、アイヌ民族の尊厳回復のあり方を検討する有識者会議を新設し、アイヌ政策に取り組んでいく方針だ。

 決議は、昨年9月に国連で「先住民族の権利に関する宣言」が日本も賛成して採択されたことや、北海道洞爺湖サミット開催を機に、採択の機運が高まった。超党派の「アイヌ民族の権利確立を考える議員の会」が文案をまとめ、一部を修正した。(稲垣直人)




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