2008年6月25日水曜日

asahi science space artifitial Black Hall experiment

人工ブラックホール、地球は無事か 学者「心配ご無用」

2008年6月25日12時52分

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 【ワシントン=勝田敏彦】陽子の超高速衝突実験で、小さなブラックホールができてしまうかも知れないけれど、地球がのみ込まれる危険は絶対にありません ——。スイス・フランスの国境沿いで今秋にも運転が始まる大型円形加速器「LHC」について、ノーベル賞学者らの委員会がこんな「安全宣言」を出した。

 ブラックホールは重力が強すぎて光すら抜け出せない領域。重い星が燃えつきて縮んだときなどに、できることが知られている。地下トンネルにある1 周27キロのLHCで、かつてない高エネルギーで陽子同士を正面衝突させると、極微の人工ブラックホールができる可能性が、理論計算から指摘されている。

 しかし、「ブラックホールができると、地球や私たちの宇宙まで吸い込まれてしまうのではないか」と心配する声もあった。このため、LHCを開発・運用する欧州合同原子核研究機関(CERN)が、ノーベル物理学賞受賞者らでつくる委員会に「安全審査」を依頼していた。

 報告書は、「ブラックホールはエネルギーを放射しながら縮んでいく」という英国のホーキング博士による「ホーキング放射」の理論などにもとづき、たとえブラックホールができても、すぐに消滅してしまうと説明。

 また地球などにはLHCでできる以上の高エネルギーの粒子(宇宙線)がしょっちゅう衝突しており、その時にミニブラックホールが生じているかもしれないが、地球がのみ込まれたりしていないことなどを根拠に、「実験は安全」と結論づけた。



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