2008年6月13日金曜日

kumanichi archeology fossil Sango Coral Kumamura

2008年6月13日 07:02
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2億年以上前のサンゴ礁跡発見 球磨村
サンゴ化石を含んだサンゴ礁跡が見つかった石灰岩(崖の白っぽい部分)を指さす尾上哲治さん=球磨村
サンゴ化石を含んだサンゴ礁跡が見つかった石灰岩(崖の白っぽい部分)を指さす尾上哲治さん=球磨村
 球磨郡球磨村の球磨川に面した地層から、約二億二千万年前のサンゴ化石を含んだサンゴ礁跡が見つかった。サンゴ単体ではなくサンゴ礁としてのこの時代の 発見例は世界的にも少なく、地球環境の発展過程を知る手掛かりにもなると注目されている。

 同村の球泉洞に近い球磨川右岸の切り立ったがけの石灰岩(幅約四十メートル、高さ約三十メートル)の中から二〇〇五年、鹿児島大地球環境科学科 の尾上哲治助教が発見。米モンタナ大地質科学科のジョージ・スタンレー教授と共同研究を進め、ドイツの科学専門雑誌(電子版)にこのほど掲載された。

 尾上さんによると、今から約二億〜三億年前の地球は、一つの超海洋(パンサラサ)と、一つの超大陸(パンゲア)とで構成されていた。発見された 化石サンゴは約二億二千万年前、パンサラサの南半球にあった海山の頂部に、二枚貝などと一緒に生息。海山は海洋プレートに乗って年間数センチずつ現在の場 所まで移動したとみられる。

 一帯では、これまでも礫(れき)などに入ったサンゴ化石が見つかっているが、地層からサンゴ礁跡が確認されたことで、サンゴが堆積した場所とし て特定できた。さらに化石サンゴの骨格や含まれる物質を分析することで、当時の海水温度や大気中の二酸化炭素の濃度、サンゴの進化などについて知ることが できるという。

 尾上さんは「パンサラサは地球の七割を占めながら詳しいことがほとんど分かっていない。地球の歴史を知ることができる地層として、今後も研究を深めたい」と話している。(本田清悟)

 「世界へ発信できる」 熊本大教育学部の田中均准教授(地史学)の話 生物の進化や当時の環境を解明する手掛かりという意味で、熊本から世界に向けて発信できる画期的な発見。海外の研究者も注目するだろうし、地層を保護するなどの対応も必要ではないか。


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