2008年6月6日金曜日

asahi culture diary Shigesato Itoi hobonichi 10th anniversary

「ほぼ日刊」実はホントに日刊 「イトイ新聞」10周年

2008年06月06日12時07分

 コピーライターの糸井重里さんが主宰するインターネットサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」が6日、創刊10周年を迎えた。「ほぼ日刊」という名前なのに、実は1日も欠かさず更新中だ

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糸井重里さん

 糸井さんは「おいしい生活」(82年)などの時代をとらえた広告コピーで有名になり、エッセーや小説も手がけてきた。98年に通称「ほぼ日(にち)」を 開設。当時インターネットを使いこなす人は少なかったが、「発信者になったり受信者になったりする魅力を生活の中で語りたい」と考えたのだという。

 いわゆる「新聞」とは違い、糸井さんが毎日書くエッセーのほか、ジャーナリストのニュース解説や医師のコラム、芸術家の作品集などを日替わりで載 せてきた。手相のページのような楽しい企画がある一方で、教育について考える対談「日本の子ども」といった硬派なコラムもある。 さらに、ネット上の連載 を本にしたり、商品の開発・発売も手がけたりしている。閲覧数は1日平均で140万件で、25〜35歳の女性にファンが多いという。

 糸井さんは「10年続けること」を目標にしてきた。文芸評論家の吉本隆明氏に「とにかく毎日、10年続けたらものになる。ぼくが保証する」と言われたからだ。毎日、すべてのメールに目を通すことで「読者が一緒に遊んでくれていると実感できたこと」が支えになったという。

 「ほぼ日」で執筆や対談を続ける一方で、サイト運営会社の経営者でもある糸井さんは今年で60歳になる。

 「早く引退する準備のつもりで始めたけど、この先10年やってみたくなった」 。(見市紀世子)




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