モダンダンスの巨匠、マース・カニングハムさん死去
マース・カニングハムさん
【ニューヨーク=田中光】モダンダンスの「最後の巨匠」と呼ばれていた米国の振付家・マース・カニングハムさんが26日、ニューヨークの自宅で死去した。90歳だった。舞踊団が発表した。
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米国生まれ。現代舞踊を確立したマーサ・グラハムの舞踊団で活躍しつつ、ジョージ・バランシンにクラシックバレエも学んだ。学生時代に知り合った作曲家ジョン・ケージに触発され、伝統から逸脱した新たな舞台表現の可能性を探り始める。53年には自身の舞踊団を設立した。
60年代以降は、アメリカの自由な表現を率いたポストモダンの芸術家たちの先頭を走った。その手法は、舞踊と音楽、美術の偶然の出合いが新たな芸術を生 み出すというもの。音楽家のデビッド・チュードアや小杉武久、美術家のアンディ・ウォーホル、彫刻家のイサム・ノグチら多くの芸術家と手を組み、多くの実 験的な作品を制作した。
電子音、レーザー光線、映像、コンピューターなど先端技術の成果を積極的に作品に採り入れた。テレビや映画の制作にもかかわった。作品は世界中の 舞踊団で上演され、コンテンポラリーダンスの領域にも大きな影響を与え続けている。日本でも64年以来、何度も公演をしている。
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