2009年2月3日火曜日

asahi shohyo 書評

光の曼陀羅 [著]安藤礼二

[掲載]2009年1月25日

  気鋭の著者による大部の評論集。埴谷雄高、稲垣足穂、江戸川乱歩、中井英夫ら「死者たちのための文学を紡ぎ続けていった特異な表現者たちの系譜」を描き出 す。その「重要な分岐点」となる折口信夫についての論考を集めた第2部の「光の曼陀羅」が圧巻。小説『死者の書』を雑誌掲載時の初稿と単行本を比較して丹 念に読み解き、年上の恋人藤無染への思い、新仏教とのかかわりなど、新たな折口像を示す。仏教同人誌に掲載された短歌など、新発見資料も収録。

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光の曼陀羅 日本文学論

著者:安藤 礼二

出版社:講談社   価格:¥ 3,780

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死者の書・身毒丸 (中公文庫)

著者:折口 信夫

出版社:中央公論新社   価格:¥ 620

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