アリに「私は女王」 チョウの幼虫、音マネで手厚い待遇
アリの巣の中で育つシジミチョウは、女王アリの音をまねて厚遇を受けているようだ——。こんな研究結果を英国とイタリアの研究グループが6日付の米科学誌サイエンスに発表した。
シジミチョウには、アリの巣で育てられて幼虫とさなぎの時期を過ごすものがいる。グループが調べたのは、イタリア北部で採集したゴマシジミ属の一種。体 の表面にアリの幼虫と似た化学物質を分泌し、働きアリから世話を受けていることは知られていた。しかし、巣が荒らされた時に優先的に助けられたり、餌不足 の時にも餌をもらい続けたりするなど、アリの幼虫よりも手厚い待遇を受ける理由がはっきりしていなかった。
そこで、アリが体の一部をこすって出す音に着目した。調べたゴマシジミは幼虫やさなぎの時期に音を出す。それを記録して周波数などを分析、ゴマシ ジミの発する音が働きアリよりも女王アリの音に近いことを見つけた。この音によって女王並みの扱いを受けていると考えられた。(米山正寛)
0 件のコメント:
コメントを投稿