2009年2月6日金曜日

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キトラ古墳 鎌倉時代の「盗掘穴」を復元 奈良文化財研

2009年2月5日19時35分

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写真壊された石室の写真の前に置かれた復元部分=5日、奈良県橿原市の奈良文化財研究所都城発掘調査部、森井英二郎撮影

写真壊された石室の写真の前に置かれた復元部分=5日、奈良県橿原市の奈良文化財研究所都城発掘調査部、森井英二郎撮影

写真壊された石室の写真の前に置かれた復元部分=5日、奈良県橿原市の奈良文化財研究所都城発掘調査部、森井英二郎撮影

写真キトラ古墳石室の外側。南壁の左上に盗掘穴が開いている=キトラ古墳発掘調査報告(文化庁など発行)から

 奈良県明日香村のキトラ古墳(特別史跡、7世紀末〜8世紀初め)で、鎌倉時代に盗掘により壊されたとみられる石室南壁の「盗掘穴」の部分を復元したと、 奈良文化財研究所が5日発表した。石室内外に散らばっていた石材(凝灰岩)の破片を組み合わせ、足りない部分は樹脂で補った。同研究所は「石室は非公開の ため、これを見て本物を実感してほしい」としている。

 復元部分(高さ65センチ、幅25〜40センチ、厚さ50センチ)は重さ約80キロ。04年の発掘調査で、刃物で南壁の石材を打ち割ったとみられ る約200点の破片が出土。最大のもので幅30センチ程度で、多くはこぶし大だった。このうち表面に漆喰(しっくい)が残るなど本来の位置がわかる約30 点を使うなどして約1年かけ完成させた。

 盗掘穴がある南壁(高さ115センチ、幅105センチ、厚さ50センチ)には、四神の一つ「朱雀(すざく)」が描かれている。ここから盗掘者が侵 入し副葬品を盗んだとされる。明かりをとるための灯明皿が石室内から見つかっており、皿の形式から盗掘は13世紀前半(鎌倉前期)と考えられている。

 復元部分は6日から3月31日まで、同県橿原市の奈文研藤原宮跡資料室で無料展示(土、日、祝日休館)される。(渡義人)



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