「まじめな努力家」が悩んでいる
2009年3月28日
「心の病」で会社に行けないといった悩みを持つ30〜40代が増えている。能力も理想も高い人々がなぜ仕事ができない状態になるのか。精神科医の香山リカさんが朝日新書の新著でこの問題を考えた。
タイトルは『雅子さまと「新型うつ」』だ。
皇太子妃雅子さまは療養生活が5年あまり続き、「適応障害」と病名が公表された。雅子さまと同じ「男女雇用機会均等法世代」の香山さんは「この世代はまじめで努力家が多い」とし、「新型うつ」が広がっていると指摘する。
特徴は「仕事に集中できない。休暇中は比較的活発」「『本当の私はこんなんじゃない。もっとできるはずだ』という思いがある」……。
さらに、「職場に復帰するときは完璧(かんぺき)でなきゃ」と思いがちなのだが、実際は気力も体力も仕事の勘も落ちていて、そのギャップを認識できないために長期休職になってしまう場合があるそうだ。
そこで香山さんは、「自分には弱いところもある」と自己認識を修正し、リハビリを兼ねながら徐々に職場復帰を果たすのがいいと助言する。
「雅子さまの胸のうちは、精神科医としてだけでなく、"働く女性"としても痛いほどわかる気がした」
香山さんは、本書にそんな思いを込めたという。
- 雅子さまと「新型うつ」 (朝日新書)
著者:香山 リカ
出版社:朝日新聞出版 価格:¥ 735
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