黒鉛から世界一硬いダイヤ? 兵庫教育大など作成に成功
結晶の粒が小さく、世界で一番硬いダイヤモンドになりうる「非結晶ダイヤモンド」を黒鉛から作ることに、兵庫教育大や東京工業大などのチームが成功した。20日付の米物理学会誌フィジカル・レビュー・レターズに発表する。切削工具での利用などが期待される。
ダイヤも黒鉛も炭素が集まってできている。庭瀬敬右(けいすけ)・兵庫教育大教授らは、実験用原子炉内で黒鉛に中性子線を当ててダメージを与えた。その 黒鉛に、秒速1.7キロの速さで金属片をぶつけ、一瞬、高圧高温の状態にすると、最大100マイクロメートルのガラスのような破片ができた。破片に光を当 てて分析すると、結晶の粒が極限まで小さく、粒の向きがそろっていない非結晶ダイヤになっていた。小さすぎて硬度は測れなかった。
03年に、愛媛大が世界一硬い人工ダイヤを作ったと英科学誌ネイチャーに発表している。庭瀬さんは「ダイヤは結晶の粒が小さいほど硬いと予測している。今回作った非結晶ダイヤは、世界で最も硬いダイヤモンドになった可能性がある」と話している。(長崎緑子)
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