人の歩き方、150万年前も今と同じ ケニアに足あと
ケニアで見つかった約150万年前の人類の「足あと」の化石=サイエンス提供
足あとの化石のレーザー解析画像。二つの足あとが緑色にうつっている=サイエンス提供
人類は150万年前、すでに現代人(ホモ・サピエンス)と同じようにさっそうと歩いていたことが、欧米やアフリカの研究チームの解析でわかった。ケニアで見つかった「足あと」の化石を分析した。27日付の米科学誌サイエンスに発表された。
現代人は肩や腰をひねるなど、絶妙にバランスを取って歩く。かかとから踏み込み、前方に体重を移動してけり出す歩き方は、二足歩行を始めたころの初期の人類にはみられない特徴とされるが、こうした歩き方がいつ始まったのかは、よくわかっていない。
チームは、ケニア北部イルレットの約150万年前の二つの地層から見つかった足あとを、レーザー解析などの手法で調べた。土踏まずの形、一列に並んだ指 やかかとの様子などから、力のかかり方を解析。かかとから土踏まずの外側に体重を移し、親指の付け根に近い部分で地面をけるという、現代人とほぼ同じ歩き 方だったと結論づけた。
この足あとは、現代人の祖先とされる初期のホモ・エレクトスのものとみられ、現代人とほぼ同じ大きさだった。
猿人はタンザニアで見つかった375万年前の足あとの化石などから、体重移動があまりみられない「ぎこちない」歩き方だったとされる。
人類は骨盤の化石の形などから、百数十万年前には現代人のような歩き方をしていたと推定されていた。国立科学博物館の馬場悠男・人類研究部長は「足あとはわかりやすく貴重な証拠。これまでの研究が裏付けられた」と話す。(鈴木彩子)
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