2009年3月10日火曜日

asahi shohyo 書評

仕事上手 つきあい上手になるための 「品のある声・ものの言い方」 [著]のざききいこ

[掲載]2009年2月25日朝刊

■好感を持たれる「声美人」を目指そう!

  声が魅力的な人は、仕事や人間関係でも得をするものである。「仕事上手な人は声美人」と説く著者は、声優・ナレーターとして、CMや番組ナレーションをは じめ、アニメ・洋画の吹き替え、カーナビの音声など幅広く活躍してきた。長年の経験から、声の印象やものの言い方を変えるだけで、好感度は驚くほどよくな るという。ただし、美しく流暢(りゅうちょう)に話すことができても、思いが表現されていなければ、心の通った会話とはいえない。そこで、表現力を磨き、 効果的に話すノウハウを解説したのが本書である。

 上手な話し方の基本は、心を込めて笑顔で「まぁるく」話すことだという。その上で、抑揚・強弱・テンポ・間・語尾のまとめ方と いった技術が生きてくる。具体的なボイストレーニングを重ねるうちに、意識の持ち方にも変化が訪れそうだ。また後半では、接客・営業・お詫(わ)び・人前 での話し方など、職場のさまざまなシーンに応じた話し方を紹介する。付録のCDを聞きながら、何度も練習を重ねたい。

 声は磨けば必ず「つや」が出てくるという。声につやが出ると自信がつき、説得力が生まれる。その結果、可能性は大きく広がって いく。数々の挫折や失敗を乗り越えてきたからこそ、実感のこもった著者のアドバイスは心に響く。自己表現したいすべての女性に読んでほしい一冊だ。

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