「青いケシ」に栗と藤色の新種 中国で日本人写真家発見
赤みを帯びた栗色の花をつけた「青いケシ」の新種=吉田外司夫さん提供
中国雲南省西北部の山地で見つかった「青いケシ」の新種=吉田外司夫さん提供
神秘的な色の花を咲かせる「青いケシ」(メコノプシス)の新種2種が、中国奥地で確認された。1種は有名な青ではなく、濃い栗色の花を持っている。淡い藤色の別の新種も見つかった。
千葉県大網白里町の植物写真家で東京大総合研究博物館客員研究員の吉田外司夫さん(60)が見つけた。日本の「植物研究雑誌」に近く論文が掲載される。ヒマラヤから中国の高山地帯に咲くこの神秘の花の発見に日本人がかかわるのは初めてという。
吉田さんは07年夏、中国雲南省西北部の福貢(フーコン)地区、碧羅雪山の4千メートル地点で、栗色の花を咲かすメコノプシスを見つけた。新種と直感し たが、数株しか見つからず、08年に中国科学院昆明植物研究所の孫航(スン・ハン)・副所長の協力を得て再調査をした。少し南の碧江地区で、絹のような光 沢で淡い藤色の花を咲かせる新種も見つけた。他の仲間と違ってランプシェードのようにうつむいて咲く特徴があった。
「青いケシ」はほとんどが紺碧(こんぺき)色の花を持つ。普通に言われるケシ(パパベル属)の仲間とは系統が異なり、モルヒネなどのアルカロイドは作らない。「青いケシ」栽培が盛んな欧州にも新種発見のうわさが伝わり、種子ハンターが動き始めているという。(柏原精一)
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