2009年3月20日金曜日

asahi science archeology small dinosaur Fukui

ミニ肉食恐竜の化石、全身の6割発見 福井・国内3例目

2009年3月19日3時2分

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写真:発見されたドロマエオサウルス類とみられる骨化石=福井県立恐竜博物館提供発見されたドロマエオサウルス類とみられる骨化石=福井県立恐竜博物館提供

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写真:発見された化石と同じ類に属するドロマエオサウルス=イラストレーター・山本匠さん作画発見された化石と同じ類に属するドロマエオサウルス=イラストレーター・山本匠さん作画

 白亜紀前期(約1億2千万年前)の福井県勝山市の地層から、小型肉食恐竜の同一個体の約6割を占める化石が見つかったと、県立恐竜博物館が18日発表し た。頭や後ろ脚など約160点で、二足歩行で体表に羽毛があったドロマエオサウルス類の新種とみている。全身骨格の復元が可能で、同じ地層で発見されたフ クイサウルス(中型植物食恐竜)、フクイラプトル(中型肉食恐竜)に続き国内3例目になるという。

 同博物館は昨年7月、歯4本が付着した上顎骨(じょうがくこつ)や右後ろ脚の先端部など約30点を発見したと発表。上顎骨の形状などから、ドロマ エオサウルス類とみていた。その後、頭骨や後ろ脚の骨化石などが新たに約130点見つかり、全身の特徴から同類の化石とほぼ特定した。

 特に右後ろ脚については大腿(だいたい)骨から末節骨まで約9割がそろった。これにより脚の長さが52センチと判明し、同類の他の化石を参考に体 長は約1.7メートルと推定した。肉食恐竜の特徴で、同類に多く見られる歯のぎざぎざがなかったことなどから同類の新種の可能性が高いという。09年度末 までに復元する予定だ。

 また、国内の同類の化石では初めて、頭骨の一部で脳が収まっていた「脳函(のうかん)」(幅5センチ、長さ6.7センチ、高さ3.7センチ)が確認された。神経が通っていた穴が残っており、恐竜の神経系を研究できる貴重な発見という。

 130点の化石は、北陸一帯に広がる「手取(てとり)層群」上部に位置する北谷層(同市北谷町杉山)から見つかった。今後も新たな部位が見つかる可能性があるという。

 ドロマエオサウルス類の化石は岐阜県内などで「可能性がある」とされる歯が見つかっている程度。東洋一副館長は「中国で多く見つかっている羽毛恐 竜が、以前は陸続きだった日本でも見つかり、全身骨格を復元できる意味は大きい。今回は新種の可能性もあり、日本列島にいた恐竜の独自な点を突き止めてい きたい」と話している。



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