2009年3月27日金曜日

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穂摘み具、ほぼ完全な形で出土 全国で初 鳥取の遺跡

2009年3月26日20時30分

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写真:ほぼ完全な形で出土した穂摘み具(左)。下側に鉄製の刃先がついている。右は同じ場所から見つかった古墳時代前期のもの=鳥取県埋蔵文化財センターほぼ完全な形で出土した穂摘み具(左)。下側に鉄製の刃先がついている。右は同じ場所から見つかった古墳時代前期のもの=鳥取県埋蔵文化財センター

写真:復元模型で再現した穂摘み作業。木製台の穴にひもを通し、手にひっかけて使ったらしい=鳥取県埋蔵文化財センター復元模型で再現した穂摘み作業。木製台の穴にひもを通し、手にひっかけて使ったらしい=鳥取県埋蔵文化財センター

 鳥取市本高(もとだか)の本高弓ノ木遺跡で、古墳時代中期(5世紀)のものとみられる穀物をつみ取る穂摘み具が、全国で初めてほぼ完全な形で見つかった と、鳥取県埋蔵文化財センターが26日発表した。木製台に鉄製の刃が差し込まれており、同じ場所から古墳時代前期(4世紀)の穂摘み具も出土。鉄器が農具 として普及する過程を知るうえで貴重な資料という。

 いずれも国道9号の改装に伴う発掘調査で、08年11月に水田跡から見つかった。長さ10センチ、幅4センチほどで、木製台に開けた穴にひもを通 して手首に固定し、鉄刃に稲穂などをかけて摘み取っていたらしい。完全形が見つかったことで使用法の復元が可能になり、二つの穂摘み具の穴の位置や形の変 化などを比較して、道具としての改良の形跡も調べる。

 同センターによると、穂摘み具は九州や近畿地方で100以上出土しているが、いずれも欠落や破損があり、大半は古墳の副葬品だった。工楽(くら く)善通・大阪府立狭山池博物館長(考古学)は今回の発見について、「当時、鉄器は貴重なものだったが、早い時期から農具として普及し、人々が農作業の効 率化のために工夫を重ねていたことがうかがえる」と指摘。「ただし、初穂の収穫など特別な儀式で使っていた可能性もある」としている。

 この穂摘み具は30日から4月17日まで、鳥取市国府町宮下の同センターで公開される。



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