同じハゼでも2種の雄、子育てハゼに交尾ハゼ 五大湖
5大湖にすむハゼの仲間。2種類いる雄のうち、上が本来の雄、下が白っぽい「間男」=マクマスター大のジュリー・マランテットさん提供
【ワシントン=勝田敏彦】米国とカナダに広がる5大湖にすむハゼの仲間に、雄が2種類いる外来種が存在することが、カナダ・マクマスター大などの研究で わかった。求愛や子育てに忙しい通常の雄の目を盗み、雌との交尾だけを専門にする「間男」のような雄がいた。ハゼの仲間が5大湖で急増している理由を説明 できる可能性が出てきた。「ジャーナル・オブ・グレート・レークス・リサーチ」に論文を発表した。
論文によると、このハゼは5大湖固有の種ではなく、カスピ海周辺原産。90年に初めて見つかった。船のバラスト水に混じって侵入したらしい。チームは黒っぽい雄のほかに白っぽい雄を見つけた。
黒っぽい雄は体長10センチほどで、雌を引きつけるフェロモンを分泌する器官も発達していた。一方、白っぽい雄は体長がその半分程度で、雌に似て いるが、精巣が大きく、精子の数も多く生殖に都合がいい性質を持っていた。自分を雌に見せかけて巣に侵入し、交尾だけして逃げるらしい。こうした戦略を取 る魚の種は多いが、このような外来種で見つかるのは珍しいという。
研究チームは、雄が2種類いることで固有種との生存競争を勝ち抜き、数を増やしている可能性があるとみる。
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