2009年6月26日金曜日

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古代人の音楽会 3万5千年前のフルート、独の洞窟に

2009年6月25日2時8分

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写真:独南西部のホーレ・フェルス洞窟からほぼ完全な形で出土した3万5千年以上前のフルート=独チュービンゲン大提供独南西部のホーレ・フェルス洞窟からほぼ完全な形で出土した3万5千年以上前のフルート=独チュービンゲン大提供

写真:マンモスの牙でできたビーナス像。フルートから約70センチ離れた位置で見つかった=独チュービンゲン大提供マンモスの牙でできたビーナス像。フルートから約70センチ離れた位置で見つかった=独チュービンゲン大提供

 古代人は3万5千年以上も前にフルートを演奏し、音楽を楽しんでいた——。独チュービンゲン大のチームは独南西部ウルム近郊のホーレ・フェルス洞窟(ど うくつ)など二つの洞窟で、鳥の骨でできたほぼ完全なフルートやマンモスの牙でできたフルートの破片を発見した。世界最古級とみられ、音楽の広がりを示す 貴重な証拠だ。24日付英科学誌ネイチャー(電子版)に発表する。

 もっとも完全な形で出土したのは、ハゲワシの骨でできたフルート。12の破片にわかれ、つなぎ合わせると長さ21.8センチ、直径約8ミリのほぼ完全な楽器になった。五つの指穴があいており、広い音階をもっていたらしい。

 地層の年代や放射性炭素測定の結果などから、3万5千年以前のものと結論づけた。

 ホーレ・フェルス洞窟では同じチームがこの5月、人類最古のマンモスの牙でできたビーナス像の発見を同誌に報告している。この地方の洞窟では1973年から2005年にかけて、フルートとみられる複数の破片が発掘されていた。

 東京大総合研究博物館の西秋良宏教授(先史考古学)は「アフリカからヨーロッパに現生人類の祖先がたどりついた時期に、ビーナス像と楽器という現 生人類の象徴的行動を特徴づける人工物が出そろっていたことは、興味深い。なぜヨーロッパでこの時期に、このような文化が開花したのかは謎で、今後の研究 課題だ」と話す。(松尾一郎)




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