太宰像 マントに包む苦悩と情念 青森・五所川原で除幕
生誕100年を記念して設置された太宰治の銅像。早速、たくさんの花が供えられた=19日午後、青森県五所川原市金木町、戸村登撮影
作家太宰治(1909〜48)の生誕から100年を迎えた19日、ゆかりの地で太宰をしのぶ行事があった。故郷・青森県五所川原市の記念祭では、彫刻家 中村晋也さん(82)が制作した銅像が除幕された。太宰が眠る東京都三鷹市の禅林寺では恒例の桜桃忌が営まれ、多くのファンが訪れた。
生家近くの芦野公園であった記念祭には、全国から約800人が集まった。銅像は35歳のころ、三鷹の自宅周辺を散歩した際に撮られた写真をもとに制作された。身長176センチあった太宰とほぼ等身大で、マントをまとっている。
作者の中村さんは「太宰の内面の苦しみや情念をマントに包み込む思いでつくった」。太宰の長女津島園子さん(68)は「父は弱い人間だったが、銅像は力強く太宰文学そのもののよう」と喜んだ。
太宰は三鷹市で多くの代表作を執筆し、自宅近くの玉川上水に身を投げた。19日は遺体が見つかった日でもある。禅林寺には朝から熱心なファンが集まり、花束やサクランボが供えられた墓前で手を合わせた。
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