県内最大の子牛の生産地として知られる阿蘇地方の草原で一日、牛の放牧が始まった。約一万頭の繁殖牛が新芽の芽吹いた緑色の草原に放たれる。
同地方では、冬は畜舎で育て、野焼きが終わり、新芽が出る四月に放牧を始める「夏山冬里」と呼ばれる飼育方法が主流。放牧された牛は、十一月ごろまで草原で過ごす。
阿蘇市黒川の黒川牧野組合（辻省一組合長、八十五人）では、あか牛と黒牛計約二百頭を次々とトラックで草原に運び込み、放牧を開始。牛たちは、広々とした草原に、跳びはねるように勢いよく走り出し、草をはんでいた。
組合員の坂本干城さん（６１）は「生き生きとして本当にうれしそう。無事に育ってほしい」と話していた。（岡恭子）
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