2008年4月8日火曜日

asahi Kitakyushu Museum of Art curator kizou houchi

地元美術家の寄贈作品、3年間放置 北九州市立美術館

2008年04月07日00時04分

 北九州市戸畑区の市立美術館が、地元美術家から寄贈の申し出があった作品について受け取りを断ると決めたにもかかわらず、そのことを美術家に伝えず、3 年ほど館内に作品を放置していたことが分かった。長田實・副館長は「寄贈を断ることを学芸員が伝えなかった。申し訳なかった」と話している。

 寄贈したのは、60年代後半から70年代前半にかけて活動した前衛美術グループ「集団蜘蛛(くも)」のメンバーで、同市在住の森山安英 さん(71)。同美術館などによると、04年に森山さんから全裸の写真版画など10点の寄贈を受けることになって持ち帰ったが、内部で話し合い、寄贈を受 けないことを決めた。しかし美術館側は理由も含めて森山さんに伝えず、作品を館内に放置したままだったという。

 長田副館長は「断るように指示したが、担当の学芸員が伝えなかった」と説明する。この学芸員は昨年9月に退職したが、退職前に森山さんに断りを入れなかったことや作品が館内にあることを上司に伝えていたという。

 昨年の夏ごろ、この上司が森山さんに謝罪。後日、森山さんが同美術館に作品を取りに行ったが、通路の棚の上に置かれたままだったという。

 寄贈を断ることになった理由について、美術館側は「はっきりしたことは当時の関係者に聞いていない」としている。森山さんは「同時に寄贈 した福岡市美術館や福岡県立美術館はすぐに(寄贈の)手続きが完了した。(作品の放置は)一学芸員の責任ではなく、館全体の問題だ」と話している。




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