認知症の症状改善に有効とされる臨床美術(クリニカルアート)を紹介する講演会とワークショップが十三日、熊本市上鍛冶屋町の湖東カレッジ教育芸術専門 学校であり、福祉や美術関係者ら約四十人が参加した。臨床美術は、福祉施設のリハビリや自治体の介護予防事業として注目を集めているが、県内で本格的に紹 介されるのは初めて。 臨床美術は、絵画や立体造形を作ることで、脳機能の活性化を促し、認知症の予防や症状改善を行う。一九九六年に医師、美術家らが実践研究を始め、現在はNPO法人日本臨床美術協会(東京)が臨床美術士の認定を行っている。 この日は、同協会の大橋啓一理事や菊池郡大津町出身で臨床美術士一級の資格を持つ鍋島次雄・芸術造形研究所臨床美術士カリキュラム開発室長が講 演。認知症の人や子どもらが描いた絵画を見せながら、左脳で描いた絵と右脳で描いた絵の違いを説明。「単に絵を描いても脳の活性化にはならない。臨床美術 では気持ちを大切にして描いてほしい」などと語った。 ワークショップでは、「オイルパステル」など専用の画材を使い、参加者らが音楽や自分の声をイメージして描いた。 講演会を企画した同専門学校は「まずは臨床美術を知ってもらい、学ぶ場を提供したい」として、六月から臨床美術士の養成講座を開講する。(田端美華) |
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