2008年4月8日火曜日

asahi international Beijing Olympic flame

中国、聖火への妨害「強く非難」 IOC委員長も批判

2008年04月08日11時21分

 【北京=阿久津篤史】パリ、ロンドンでの北京五輪聖火への抗議活動について、中国外務省の姜瑜副報道局長は8日、「チベット独立勢力が五輪精神や英国、フランスの法律を顧みず、聖火リレーの妨害を図ったことを強く非難する」との談話を出した。

 一方、国際オリンピック委員会(IOC)報道委員会のゴスパー委員長は「開催国への憎しみを聖火にぶつけるのは間違っている」と批判。同時に「聖火リ レーの今後について見直す必要がある」と述べ、猪谷千春副会長もIOC理事会でルート変更について検討する可能性を示した。



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パリでの聖火リレーが打ち切り、激しい抗議活動受け

2008年04月08日09時27分

 [北京/パリ 7日 ロイター] 8月に開かれる北京五輪の聖火リレーが7日、仏パリで行われたが、チベット騒乱での中国政府の対応に対する抗議活動が相次ぎ、途中で打ち切られる異例の事態となった。

 中国当局は、抗議活動家が五輪準備期間を、チベットでの人権全般に対する中国のこれまでの対応を糾弾したり、中国の外交政策を批判するために利用しようとしているのは「恥ずべきこと」と非難。その上で、世界各地を回る聖火リレーに変更はないとしている。

 パリでの聖火リレーは、出発地のエッフェル塔をスタートした直後からトラブルに見舞われ、抗議者が聖火ランナーを取り囲む厳重な警備を突破しようとするたびに繰り返し中断された。

 数千人のデモ参加者を前に、聖火は幾度かバスの中にかくまわれたほか、少なくとも2度、消すことを余儀なくされた。新華社は中国当局者の話として、安全上の理由から消火したとしている。

 仏内務省の発表によると、警察は今回のデモで18人の身柄を拘束した。

 聖火は9日、米サンフランシスコに到着する。当地では7日、チベットを支援する活動家3人が名所ゴールデンゲート・ブリッジに登り、抗議の垂れ幕を掲げた。



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ユニセフ、平壌での聖火リレー中止

2008年04月08日

 【ニューヨーク=松下佳世】平壌で28日に予定されている五輪聖火リレーで、国連児童基金(ユニセフ)が、当初予定していた職員の参加を取りやめていたことが7日分かった。英紙の報道を受け、ユニセフの報道官が明らかにした。

 リレー参加の経緯について、ユニセフのデボノ報道官は同日、朝日新聞に対し、「国際オリンピック委員会(IOC)からの依頼があり、一度は参加を承諾し た」と説明。だが「リレーへの参加が、北朝鮮や他地域における子どもの現状への関心を高めることに寄与すると確信できなくなった」との理由から、平壌に事 務所を持つほかの国連機関とも相談の上、3月下旬に参加中止を決定したという。報道官は、各地で相次いでいる中国に対する抗議行動との関連は否定した。



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聖火 走る大警備線

2008年04月08日00時43分

 ロンドンで抗議行動の「波状攻撃」に見舞われた北京五輪の聖火リレーは7日、パリに入り、再び激しい抗議にさらされた。走者は国家元首並みの警備に囲ま れた。注目を集めてアピールしたい人権団体、聖火を守ろうとする中国、中国への反発が強い国内世論をにらむ英仏政府。思惑を乗せて聖火が進んだ。聖火は月 末、日本にやって来る。

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パリのエッフェル塔近くで7日、聖火リレーが通過する通りに乱入し、警察に排除される男性=飯竹恒一撮影

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物々しい警備の中、パリのエッフェル塔近くを通過する聖火リレー(ロイター)

■警官隊200人「国家元首並み」

 4月には珍しく前日降った雪が一部に残るパリの街で、聖火リレーは最初から大荒れとなった。

 仏警備当局の聖火への警戒は「国家元首並み」。15台のオートバイ隊を先頭に約50台の機動隊などの車両が走者の前後を固め、左右は警察ローラースケー ト隊など計200人が並走してスタートした。一団は計約400人を超え、走者がどこにいるかわからないほど。全行程の警備は3千人態勢。警戒ぶりだけは一 見万全のように見えた。

 しかし、中国の人権状況に抗議する人々が沿道に集結。出発直後から妨害を試みて拘束される人が相次いだ。エッフェル塔を望むトロカデロ 広場にも数百人の在仏チベット人やその支援者らが集まった。チベットからの難民リンチャン・ペマさん(32)は「選手が五輪に参加するなとは言わないが、 首脳は開会式に出るべきでない。スポーツと政治は切り離せない」と話した。

 一方、中国の国旗を持った支援者らも多数集まり、チベット支援者側と小競り合いを続けた。オランダ在住の中国人男性(28)は「チベットに様々な問題があるのはわかっているが、スポーツの祭典を政治と混同すべきではない」と話した。

 聖火リレーは何度も立ち往生。結局バスでの移動などに頼らざるを得ず、一部区間は走行が中止に。沿道には抗議の人々と警備陣が目立ち、4年に1度の祝祭の空気はなかった。

 抗議行動は、前日のロンドンでも警備側の予想を上回っていた。沿道から次々と飛び出す抗議者に手を焼いた英当局は、途中から3重の守備陣 形に切り替えて乗り切った。走者の周りに中国が派遣した警備担当者約10人。開催国が警備当局者を聖火が通る国に派遣するのは過去にも例があるが、今回は 異例の多さだ。その外側をロンドン警視庁警官約15人が取り巻き、さらにその外を警官約50人が囲んだ。沿道から走者はまったく見えず、大男の警察官らが 雪の中をマラソンする光景となった。

 ロンドンで身柄を拘束されたのは37人。多くはチベット問題など中国の人権軽視に抗議しようとした市民のようだ。英国では今回のリレーを「非民主主義国の政府の宣伝活動」と批判的に見る空気が強く、メディアの多くも抗議行動を支持する論調が目立った。

■人権団体、絶好のアピール 英仏政府、世論を意識

 人権団体などが今回の聖火リレーを最大限に利用して中国への国際的な批判を巻き起こそうとしているのに対し、英仏政府は複雑な対応を迫ら れている。両国とも中国に批判的な国内世論を抱えているからだ。中国政府は関係国に警備強化を求めているが、厳しすぎる警備はさらに反発を生む懸念もあ る。

 「国境なき記者団」のロベール・メナール事務局長は聖火リレーの前から「パリで行動を起こす」と予告していた。同団体は五輪の北京開催 決定時から、「手錠の五輪」のポスターを配るなどしてきたが、なかなか注目を浴びなかった。聖火リレーは、国際的アピールの絶好の機会ととらえ、3月24 日のギリシャでの採火式で行動を開始した。

 胡錦濤国家主席に開会式出席を約束していたサルコジ仏大統領は、チベット自治区の騒乱後、国内世論に押されるかたちで出席見合わせの可能性を示唆。閣僚も中国に厳しい発言で続いた。国内向けにあえて強硬な姿勢を示そうとしている、との見方も多い。

 英国も、国内と中国向けで対応を使い分ける。次の開催地がロンドンという事情もあり、英政府はスポーツ相が開会式に、ブラウン首相が閉会 式に参加する。だが、6日に聖火リレーを官邸前で出迎えた同首相は翌7日、「中国の指導者と会うときはいつも人権問題を取り上げてきた」ともコメント。歓 迎ぶりが批判を招くのを意識したようだ。

 中国の新華社通信は7日、ロンドンの騒ぎを「卑劣な行為」と非難。同時に「公安当局が、妨害しようとした少数のチベット独立派を逮捕し た」と、一部の勢力による違法行為だと強調した。中国は「過去の聖火リレーも妨害にあった」と繰り返している。北京五輪固有の問題ではないことを強調し、 国内の動揺を抑える狙いをうかがわせる。

 中国は、「通過国当局に順調なリレーを保証する義務がある」との立場で、各国に警備態勢の強化を求めたという。しかし北京の外交筋は「国内世論もあり、各国政府は追い込まれている。中国側の賢明な対応を望むというのが本音」と明かす。

■長野警戒、マニュアル作成も視野

 26日に聖火リレーがやってくる長野市。観光名所の善光寺からスタートし、長野五輪の競技会場を回る約18.5キロのコースが予定されて いる。同市などでつくる「聖火リレー長野市実行委員会」は「ロンドンでの抗議活動は織り込み済み。日本では、リレーそのものを妨害する活動は考えにくい。 慌てず、準備を進めるだけ」と今のところ冷静さを保っている。

 だが、世界各地で次々と妨害活動が続いていることから、警備を担当する警察当局は警戒を強め始めた。県警の担当者は「聖火が消えたら大変」と不安を漏らし、「住民や観光客の安全とともに、聖火の安全も考えなければいけない」と力を込める。

 関係者によると、チベット騒乱に対する人権団体のデモのほか、中国政府が非合法化している気功集団「法輪功」のメンバーも訪れる可能性が ある。また、右翼団体も「北京五輪反対」を訴えて街宣活動を始めた。ある警察幹部は「ロンドンでは聖火ランナーに接触を許した。沿道の警備を固める必要が ある」と話す。

 警察当局は当初、交通規制で対応する予定だったが、計画は抜本的な見直しを迫られている。フランスや米国での状況を見た上で、他の都道府県警に応援を要請するかどうかも含めて検討する。

 日本オリンピック委員会(JOC)も妨害行為があった場合に備えて「危機管理マニュアル」の作成も視野に入れ始めた。ある職員は「聖火リ レーは、北京五輪を盛り上げたり、楽しんだりするイベントではもうなくなっている。滞りなく終わってほしいというのが正直な心境です」と語った。



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聖火 走る大警備線

2008年04月08日00時43分

 ロンドンで抗議行動の「波状攻撃」に見舞われた北京五輪の聖火リレーは7日、パリに入り、再び激しい抗議にさらされた。走者は国家元首並みの警備に囲ま れた。注目を集めてアピールしたい人権団体、聖火を守ろうとする中国、中国への反発が強い国内世論をにらむ英仏政府。思惑を乗せて聖火が進んだ。聖火は月 末、日本にやって来る。

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パリのエッフェル塔近くで7日、聖火リレーが通過する通りに乱入し、警察に排除される男性=飯竹恒一撮影

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物々しい警備の中、パリのエッフェル塔近くを通過する聖火リレー(ロイター)

■警官隊200人「国家元首並み」

 4月には珍しく前日降った雪が一部に残るパリの街で、聖火リレーは最初から大荒れとなった。

 仏警備当局の聖火への警戒は「国家元首並み」。15台のオートバイ隊を先頭に約50台の機動隊などの車両が走者の前後を固め、左右は警察ローラースケー ト隊など計200人が並走してスタートした。一団は計約400人を超え、走者がどこにいるかわからないほど。全行程の警備は3千人態勢。警戒ぶりだけは一 見万全のように見えた。

 しかし、中国の人権状況に抗議する人々が沿道に集結。出発直後から妨害を試みて拘束される人が相次いだ。エッフェル塔を望むトロカデロ 広場にも数百人の在仏チベット人やその支援者らが集まった。チベットからの難民リンチャン・ペマさん(32)は「選手が五輪に参加するなとは言わないが、 首脳は開会式に出るべきでない。スポーツと政治は切り離せない」と話した。

 一方、中国の国旗を持った支援者らも多数集まり、チベット支援者側と小競り合いを続けた。オランダ在住の中国人男性(28)は「チベットに様々な問題があるのはわかっているが、スポーツの祭典を政治と混同すべきではない」と話した。

 聖火リレーは何度も立ち往生。結局バスでの移動などに頼らざるを得ず、一部区間は走行が中止に。沿道には抗議の人々と警備陣が目立ち、4年に1度の祝祭の空気はなかった。

 抗議行動は、前日のロンドンでも警備側の予想を上回っていた。沿道から次々と飛び出す抗議者に手を焼いた英当局は、途中から3重の守備陣 形に切り替えて乗り切った。走者の周りに中国が派遣した警備担当者約10人。開催国が警備当局者を聖火が通る国に派遣するのは過去にも例があるが、今回は 異例の多さだ。その外側をロンドン警視庁警官約15人が取り巻き、さらにその外を警官約50人が囲んだ。沿道から走者はまったく見えず、大男の警察官らが 雪の中をマラソンする光景となった。

 ロンドンで身柄を拘束されたのは37人。多くはチベット問題など中国の人権軽視に抗議しようとした市民のようだ。英国では今回のリレーを「非民主主義国の政府の宣伝活動」と批判的に見る空気が強く、メディアの多くも抗議行動を支持する論調が目立った。

■人権団体、絶好のアピール 英仏政府、世論を意識

 人権団体などが今回の聖火リレーを最大限に利用して中国への国際的な批判を巻き起こそうとしているのに対し、英仏政府は複雑な対応を迫ら れている。両国とも中国に批判的な国内世論を抱えているからだ。中国政府は関係国に警備強化を求めているが、厳しすぎる警備はさらに反発を生む懸念もあ る。

 「国境なき記者団」のロベール・メナール事務局長は聖火リレーの前から「パリで行動を起こす」と予告していた。同団体は五輪の北京開催 決定時から、「手錠の五輪」のポスターを配るなどしてきたが、なかなか注目を浴びなかった。聖火リレーは、国際的アピールの絶好の機会ととらえ、3月24 日のギリシャでの採火式で行動を開始した。

 胡錦濤国家主席に開会式出席を約束していたサルコジ仏大統領は、チベット自治区の騒乱後、国内世論に押されるかたちで出席見合わせの可能性を示唆。閣僚も中国に厳しい発言で続いた。国内向けにあえて強硬な姿勢を示そうとしている、との見方も多い。

 英国も、国内と中国向けで対応を使い分ける。次の開催地がロンドンという事情もあり、英政府はスポーツ相が開会式に、ブラウン首相が閉会 式に参加する。だが、6日に聖火リレーを官邸前で出迎えた同首相は翌7日、「中国の指導者と会うときはいつも人権問題を取り上げてきた」ともコメント。歓 迎ぶりが批判を招くのを意識したようだ。

 中国の新華社通信は7日、ロンドンの騒ぎを「卑劣な行為」と非難。同時に「公安当局が、妨害しようとした少数のチベット独立派を逮捕し た」と、一部の勢力による違法行為だと強調した。中国は「過去の聖火リレーも妨害にあった」と繰り返している。北京五輪固有の問題ではないことを強調し、 国内の動揺を抑える狙いをうかがわせる。

 中国は、「通過国当局に順調なリレーを保証する義務がある」との立場で、各国に警備態勢の強化を求めたという。しかし北京の外交筋は「国内世論もあり、各国政府は追い込まれている。中国側の賢明な対応を望むというのが本音」と明かす。

■長野警戒、マニュアル作成も視野

 26日に聖火リレーがやってくる長野市。観光名所の善光寺からスタートし、長野五輪の競技会場を回る約18.5キロのコースが予定されて いる。同市などでつくる「聖火リレー長野市実行委員会」は「ロンドンでの抗議活動は織り込み済み。日本では、リレーそのものを妨害する活動は考えにくい。 慌てず、準備を進めるだけ」と今のところ冷静さを保っている。

 だが、世界各地で次々と妨害活動が続いていることから、警備を担当する警察当局は警戒を強め始めた。県警の担当者は「聖火が消えたら大変」と不安を漏らし、「住民や観光客の安全とともに、聖火の安全も考えなければいけない」と力を込める。

 関係者によると、チベット騒乱に対する人権団体のデモのほか、中国政府が非合法化している気功集団「法輪功」のメンバーも訪れる可能性が ある。また、右翼団体も「北京五輪反対」を訴えて街宣活動を始めた。ある警察幹部は「ロンドンでは聖火ランナーに接触を許した。沿道の警備を固める必要が ある」と話す。

 警察当局は当初、交通規制で対応する予定だったが、計画は抜本的な見直しを迫られている。フランスや米国での状況を見た上で、他の都道府県警に応援を要請するかどうかも含めて検討する。

 日本オリンピック委員会(JOC)も妨害行為があった場合に備えて「危機管理マニュアル」の作成も視野に入れ始めた。ある職員は「聖火リ レーは、北京五輪を盛り上げたり、楽しんだりするイベントではもうなくなっている。滞りなく終わってほしいというのが正直な心境です」と語った。



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聖火リレー、妨害次々 ロンドン騒然 

2008年04月07日01時07分

 【ロンドン=土佐茂生、村上研志、尾形聡彦】季節はずれの雪が舞うロンドンで6日、北京五輪に向けた聖火リレーが行われた。12年の次の夏季五輪開催地 だが、祝福ムードはほとんどなく、開始直後から、リレーを阻もうと沿道から次々と飛び出す人たちをかわし続けながら走る異様な展開となった。

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ロンドン中心部トラファルガー広場近くで6日、聖火リレーを妨害しようと飛び出し、警官に取り押さえられる男=尾形写す

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ロンドン中心部で6日、聖火を奪おうとし、警察と中国人の警備要員に取り押さえられた男性(中央)=AP

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ロンドン中心部で6日、中国へ抗議するチベット支援団体のプラカードに囲まれた聖火リレーの走者=AP

 聖火は午前10時半に西部ウェンブリー・スタジアムをスタートしたが、抗議はその直後から。チベットの旗を掲げた3人と警官隊がもみ合う騒ぎを皮切りに、抗議者たちは聖火を消そうとしたり奪おうとしたり。消火器を持ち出す人もいた。

 ランナーには中国からの10人余りの警備要員と英国の警官数十人が伴走する物々しさで、断続的に現れる抗議者を阻みながらのリレーはさながら障害物レースとなった。ロンドン警視庁は36人の身柄を拘束したとしている。

 大英博物館前やトラファルガー広場を聖火が通過すると、待ちかまえていた抗議デモ隊から「フリー・チベット!」「中国よ、恥を知れ」などという怒号や ブーイングがわき起こる一方、別の場所では、中国人学生らの聖火歓迎デモもあり、騒然としたイベントに。一部コースでロンドン名物の2階建てバスに聖火を 乗せる予定はもともとあったが、セントポール寺院付近ではランナーが走るはずの区域もバスに切り替えざるをえなくなった。

 リレー参加者は金メダリストや児童、著名人ら約80人。中華街やトラファルガー広場などを通る約50キロのコースに警視庁は約2千人を配置して警備にあたった。

 警視庁によると、在英や在欧州のチベット人や人権団体など少なくとも6団体が抗議デモを計画。リレーには傅瑩駐英中国大使も参加したが、抗議の的になるのを恐れ事前に公表されず、ルートも変更された。

 次期開催国という立場から、ブラウン首相も首相官邸前で聖火ランナーを出迎えた。しかし野党や人権団体からは「世界に誤ったメッセージを送る」と批判の声があがった。

 聖火リレーは7日、やはり抗議行動が予想されるもう一つの「危険地帯」パリに舞台を移して続けられる。

 ■ダライ・ラマ「妨害行為するべきではない」

 【ニューデリー=高野弦】チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世は6日、在外チベット人らによる北京五輪への妨害活動が相次いでいることについて、「すべてのチベット人は、オリンピックを妨害する行為はするべきではない」との声明を発表した。



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中国五輪組織委が聖火リレーへの抗議非難 新華社伝える

2008年04月07日12時21分

 【北京=阿久津篤史】中国国営新華社通信は7日、ロンドンで北京五輪に向けた聖火リレー中に抗議活動が相次いだことについて、北京五輪組織委員会聖火リレー広報担当者の発言を引用し「卑劣な行為を強く非難する」と伝えた。

 ロンドンの聖火リレーについては「公安当局がリレーを妨害しようとしたごく少数のチベット独立派を逮捕した」と報道。7日付の中国主要紙も、警官が妨害 者を取り押さえる写真付きで、新華社電を大きく報じた。高級ホテルや外国企業向けの衛星放送では6日、聖火リレーの様子を報じた英BBCの映像を放映した が、妨害を受けた場面が真っ暗になるなど、中国当局の規制がうかがえた。



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聖火パリでも妨害、一時火を消す 8人を拘束

2008年04月08日01時24分

 【パリ=飯竹恒一】北京五輪の聖火リレーが7日、パリに入った。前日のロンドンに続き、聖火は厳戒下に置かれた。しかし、チベット問題などで中国の人権 状況を批判する抗議活動や妨害が続出。8人が拘束され、安全上の理由などから聖火が消される場面もあった。主にセーヌ川沿いの約28キロを進むリレーは予 定より大きく遅れ、途中の行程が短縮されたほか、最終盤は終点の競技場までをバス輸送。「最終走者」による競技場の聖火台への点火式典は行って、同日夕、 リレーは終了した。

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聖火リレーのスタート地点となるパリのエッフェル塔で7日、聖火を掲げる走者(右)に近づこうとする環境活動家を取り押さえる警備要員ら(AP)

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 聖火は7日昼過ぎにエッフェル塔を出発。直後から、沿道からコースに乱入するなどの妨害行為が続出。出発点から約200メートル、2人目の走者が早くも 立ち往生し、仏メディアなどによると、トーチの火を消し、バスに乗り込んで進んだ。聖火の引き渡しの際などにも火が消される場面があった。安全上の理由か らの措置で、その都度、車内で種火から再点火されたとみられる。

 拘束されたのは「国境なき記者団」の3人や、消火器を所持していたという「緑の党」の地方議会の副議長ら。

 通過点の一つ、パリ市庁舎には「パリは世界中の人権を守る」との横断幕が市によって掲げられた。当初は聖火が立ち寄って式典が開かれるはずだったが、中止になった。

     ◇

 〈聖火〉 五輪の聖火リレーでは、06年トリノ冬季五輪でも反グローバル化を掲げる活動家に妨害されたため、トーチの火を一時消し、車で 運んだことがある。通常は、ハプニングに備えて種火を車に積んで伴走し、消えた場合に火を移す。98年長野冬季五輪では強風などで消えるハプニングが続発 した。4年前のアテネ五輪では、アテネに到着したときの記念式典で、約2万人が見守る中で消える大失態が起きた。



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中国、ロンドン聖火リレーでの抗議は「恥ずべき」と非難

2008年04月07日11時37分

 [北京 7日 ロイター] 新華社は7日、ロンドンで行われた北京五輪の聖火リレーを妨害しようとした活動家らの行為を「恥ずべき悪事」だと非難した。 6日にロンドンで行われた聖火リレーでは、チベット騒乱での中国政府の姿勢に対する抗議行動が相次ぎ、警察当局が少なくとも35人を拘束するなど、コース 周辺は騒然とした。

 新華社は、北京五輪組織委員会(BOCOG)のスポークスマンは今回の抗議行動を強く非難していると報道。「聖火リレーを妨害しようとした『チベット独立派』の活動家の恥ずべき悪事については、多くのロンドンの住民も憤りを示した」としている。

 聖火は7日にパリに到着し、その後は米サンフランシスコに向かうが、どちらもコース周辺は緊迫することが予想される。



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仏五輪代表ら、人権バッジで中国批判 聖火ランナーも

2008年04月05日12時26分

 【パリ=飯竹恒一】中国・チベット自治区騒乱への中国政府の対応を批判するフランスの北京五輪出場選手らが、五輪期間中に着用する予定の人権擁護バッジの図柄が4日、パリで公表された。五輪マークとともに仏語で「より良い世界のために フランス」と書かれている。

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人権擁護を訴えるバッジのデザインを発表するシドニー五輪の男子柔道金メダリスト、ダビド・ドイエ氏=パリ、飯竹写す

 会見したシドニー五輪の男子柔道金メダリスト、ダビド・ドイエ氏によると、まずは聖火リレーが7日にパリを通過する際に、有志の走者がこのバッジを着用 して走る。バッジを提案した棒高跳びのロマン・メニル選手は「チベット問題での中国の対応がきっかけだった」と説明。同席した選手からは「中国の(人権) 状況は耐え難い」などの声があがっている。

 五輪憲章は競技場での政治や宗教上の宣伝行為を禁じているが、仏オリンピック委員会は国際オリンピック委員会(IOC)に、このバッジの五輪期間中の着用許可を求める方針だ。




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