2008年4月12日土曜日

asahi kurashi shukatsu recruit

就活、司会役は有利? 元採用担当者が本音で答える本

2008年04月11日06時06分

 「リクルートスーツに白靴下はまずい?」「グループ討論で司会すると有利?」。こんな疑問に答える就職活動本「内定がほしい!」を講談社の編集者、花房 麗子さん(41)が企画した。大学生の「就活」も佳境。昨夏まで3年間、採用担当だった花房さんは「情報のはんらんで疑心暗鬼になった学生の気持ちを楽に できたら」。

写真

就職活動本を出した花房麗子さん(右)と小田太郎さん=東京都文京区、高波淳撮影

 04年、「週刊現代」編集部から人材開発部に異動した花房さんは、就職活動中の学生たちを見て驚いた。スーツもカバンも黒一色。同じ格好で見分けがつかない。

 インターネットの掲示板では、学生が盛んに就活情報をやり取りしていた。採用ホームページで「説明会は私服でOK。選考には関係ありません」と告知して も、掲示板に「私服OKなんて絶対引っかけ」と書き込まれ、その情報が独り歩きする。結局、9割以上の学生がリクルートスーツ姿だった。「不安で皆が同じ ように振る舞い、個性をつぶし合う。情報がありすぎるのも可哀想だと思いました」

 学生に本音で答える本を作ろうと企画を温め、目をつけたのがいま同社「月刊少年マガジン」編集部の小田太郎さん(23)。学生漫画家 だった小田さん原作の就活漫画を、内々定後から入社までの間、社のホームページで連載してもらい、収録した。「面接書類を忘れたときはネットカフェでダウ ンロードし、印刷すればいい」など体験に基づくネタも提供してもらった。

 小田さん自身、「就活の常識」に翻弄(ほんろう)された。店員に勧められるまま、黒のリクルートスーツや黒カバンなどを購入。「『茶色のカバンでは落ちますよ』とまで言われたけれど、終わってみれば全然関係ない。スーツを床に投げつけたい気分でしたね」

 毎年、入社したい思いが高じて面接中に泣き出す学生が何人もいる、と花房さん。「必死であるがゆえに周りが見えない。そこから少しでも解放できたら」(古知朋子)




0 件のコメント: