2008年4月19日土曜日

kumanichi local Aso Jinja Shrine Kokuho

2008年4月18日 16:51
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青井阿蘇神社を国宝に 県内現存では初
国宝に指定される青井阿蘇神社の楼門=人吉市(小山真史)
国宝に指定される青井阿蘇神社の楼門=人吉市(小山真史)
 国の文化審議会(石澤良昭会長)は十八日、青井阿蘇神社(人吉市上青井町)の本殿など五棟を国宝に指定するよう渡海紀三朗文部科学相に答申した。同相が 近く正式に決定する。県内に現存する初の国宝(建造物)となる。

 青井阿蘇神社は八〇六(大同元)年創建。阿蘇神社から分霊した三神を祭る。現在の社殿は一六一〇〜一六一三年にかけて、相良家二十代で初代人吉藩主・長毎(ながつね)により造営された。

 国宝に指定を受けるのは、南に面して一直線に並ぶ本殿、幣殿、拝殿のほか本殿と幣殿を結ぶ廊、これらの前方に建つ楼門の計五棟。一九三三年に旧国宝となり、五〇年施行の文化財保護法で国指定の重要文化財に一括指定されている。

 同神社の社殿群は、急こう配の茅(かや)ぶき屋根や、建物部分の黒漆塗りと赤漆の併用、金箔(ぱく)を施した優美な植物文様などが特徴。答申では、中世球磨地方の独自性の強い意匠を継承しつつ、桃山期の華麗で先進的な装飾性を取り入れている点などが評価された。

 今回の指定で、国宝は全国に千七十五件。うち建造物は二百十四件、神社では三十七件となる。九州の国宝は二十二件となり、神社では宇佐神宮本殿(大分県)に次ぎ二件目。(富田一哉、勝木みゆき)


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