自民、結党以来の大敗北…政権交代へ
自民党は1955年の結党以来、初めて衆院の第1党から転落し、政権の座も失うことになる見通しだ。歴史的な大敗からの立て直しが課題となるが、議席を失った有力者も多く、壊滅的な打撃を受けた党勢の回復は容易ではなさそうだ。
自民党は今回の敗北を、「内閣支持率が低迷する中、民主党が掲げた『政権交代』に対抗する主張を展開できなかったのが原因だ」と受け止めている。
安倍元首相、福田前首相がともに約1年で政権を投げ出し、自公政権への信頼が大きく揺らいでいたところに、麻生首相が就任直後から誤読や失言を繰 り返し、内閣支持率は何度か20%を切るまで落ち込んだ。首相は党内の「麻生降ろし」を抑えて衆院解散にこぎつけ、選挙戦では民主党の政権担当能力の欠如 を指摘した。しかし、小泉元首相が進めた構造改革で従来の支持基盤を失い、足腰が弱った同党には、劣勢は挽回できなかった。
党内には、「政・官・財が結びつき、経済成長で得た『果実』を国民に分配するような長年の自民党政治は、すでに『制度疲労』を起こしていた」とい う指摘もある。菅義偉選挙対策副委員長は30日夜のフジテレビの番組で、「自民党は長年、政権の座にいて、ぬるま湯の中にいた部分がある。国民の目線から 遠くなっていた」と述べた。
麻生首相が退陣を表明すれば、自民党は直ちに総裁選実施の準備に入る。首相指名選挙を行う特別国会は9月中旬に召集される見込みで、それまでに新総裁を決めたい考えだ。
総裁選については、「党員・党友も参加し、全党一丸で出直すべきだ」とし、正式な選挙を行うべきだという声がある。ただ、「党員投票のはがきをや りとりするのに最短でも12日間は必要だ」(幹部)という事情があり、9月中旬までの実施は難しいと見られている。このため、両院議員総会での臨時の総裁 選にならざるを得ないという見方が出ている。党幹部は、31日にも対応を協議する考えだ。
「ポスト麻生」には、舛添厚生労働相、谷垣禎一・前政調会長、石破農相らの名前が挙がっている。新総裁にとっては、来年夏の参院選での勝利が当面の目標となる。鳩山政権が初めて編成する2010年度予算の財源などを国会で厳しく追及する構えだ。
ただ、議席数が大幅に落ち込んだ状態で野党に転落することになり、党が求心力を維持するのは容易ではなさそうだ。
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