2008年7月23日水曜日

asahi shohyo 書評

消された漱石—明治の日本語の探し方 [著]今野真二

[掲載]2008年7月20日

  馬尻(バケツ)、矢釜しい、何でも蚊んでも……。夏目漱石の文章には当て字が多く、漱石独特の当て字と思われてきた。しかし同様の表現が明治期のほかの文 章にも現れていることを示し、統一的であることを強く志向する現代の表現に比べ、明治期は一つの語にさまざまな書き方が許されていたとする。漱石の原稿が 新聞・単行本掲載時にどのように変えられた(消された)かの検証や音読から黙読へ読み方が変わろうとする時代背景にまで視野を広げ、明治の日本語と向き合 う。

表紙画像

消された漱石—明治の日本語の探し方

著者:今野 真二

出版社:笠間書院   価格:¥ 5,040

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キーワード:
夏目漱石
単行本
明治期

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