2008年7月9日水曜日

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カンボジアのクメール寺院、世界遺産登録決まる

2008年7月8日10時44分

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写真世界遺産登録が決まったプレアビヒア遺跡=柴田写す図

 【バンコク=柴田直治】カナダ・ケベックで開かれているユネスコの世界遺産委員会は7日(日本時間8日未明)、カンボジアが申請していたクメール寺院、プレアビヒア(タイ名=カオ・プラビーハン)の世界遺産登録を決めた。

 同遺跡周辺の領有権をめぐって争うタイ政府が、いったん登録に同意した後に撤回した経緯があり、「失策」を批判する反政府団体は内閣総辞職を求めている。不安定なタイの政局がさらに混迷する雲行きだ。

 遺跡は9世紀に建設が始まり、アンコールワットより長い歴史を持つ。内戦でポル・ポト派の拠点となり、数多く埋められた地雷の除去作業が進められてきた。

 カンボジア政府は昨年6月、同寺院の世界遺産登録を単独で申請。タイ側が拒否反応を示したため、ユネスコは両国の協議を求めた。カンボジアが今年1月、 登録地域を遺跡に限定して再申請したのを受けてタイ政府は6月、登録に同意する決定をした。だが、野党や反タクシン元首相派勢力が「カンボジアへのビジネ ス参入を狙う元首相の意図に沿った売国的行為」などと一斉に反発。政府も同意を撤回するなど混乱していた。

 両国は58年、遺跡の領有権をめぐり国交を断絶。国際司法裁判所は62年、遺跡はカンボジアに帰属すると決定したが、その後も周辺地域をめぐる争いが続く。98年に遺跡が一般公開された後もトラブルのたびに閉鎖されていた。



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