「最後の授業」の米国教授逝く 夢語りネットで評判
今年5月、米カーネギーメロン大学の卒業式で卒業生に向けて話をするランディ・パウシュ教授=AP
【ニューヨーク=立野純二】がんで余命数カ月と告知されながらも、講義で自分の夢を語った米国の大学教授が25日、息を引き取った。講義は「最後の授 業」の題名でインターネットに流れ、世界の600万人以上が受講したといわれ、その本が国際的なベストセラーになっていた。
米北部ピッツバーグにあるカーネギーメロン大学のランディ・パウシュ教授。専門はコンピューターサイエンス。47歳だった。
教授は06年秋、膵臓(すいぞう)がんを宣告され、07年8月には余命3〜6カ月と告知された。しかし、その数週間後に「子どもの頃の夢を実現すること」と題して特別講義。壇上で腕立て伏せもする快活さを見せながら人生の意味を語った。
無重力を体験したい、ディズニーの技術者になりたい——などの夢を振り返り、「かなえられなかった夢から、より多くを学んだ」と回顧。「(夢を阻 む)れんがの壁がそこにあるのは、自分がどれほどそれを望んでいるかを試すチャンスを与えてくれるためだ」「私は物事を楽しまない道を知らない。やがて死 ぬけれども、残る日々も楽しむつもりだ」と語りかけた。
この講義は動画投稿サイト「ユーチューブ」で話題を呼び、教授の言葉をつづった本は30カ国語(日本ではランダムハウス講談社から出版)に訳され た。教授は、授業は自分の3人の子どもへの遺訓だったとしつつ、「多くの人が価値を見いだしてくれたなら素晴らしい」と自身のウェブサイトに記していた。
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