嫌われ者のダニ、実はハチの幼虫守ってた
ハチの仲間のドロバチに寄生するダニは、ハチの幼虫を天敵から守るガードマンだった。ハチにとって害になると考えられていたダニが実は役立っていたことが森林総合研究所森林昆虫研究領域の岡部貴美子・チーム長らの研究で分かり、英王立協会紀要(電子版)に発表した。
岡部さんらは、体長1.2センチほどのアトボシキタドロバチに寄生するキタドロバチヤドリコナダニという1ミリに満たないダニに注目。このダニはハチの巣の中で、幼虫のエサを横取りしたり、幼虫の体液を吸ったりしてハチに害を与える存在とみられていた。
ところが、ハチの幼虫に卵を産み付ける天敵の寄生蜂がやってくると、ダニが寄生蜂を攻撃することがわかった。巣の中のダニが2匹では寄生蜂をほとんど殺せないが、ダニが増えると寄生蜂の死亡率が上がり、9〜10匹で確実に殺す。巣には平均約6匹のダニがいた。
岡部さんは「ダニが自分の倍ほどある寄生蜂を攻撃して、ハチの子どもを守っているとは意外だった」と話している。(長崎緑子)
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