2008年7月28日月曜日

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ライチョウは生きていた 絶滅懸念の北岳で発見

2008年7月28日15時2分

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写真ハイマツが茂る岩場で辺りの様子をうかがうライチョウの親子=山梨県の南アルプス・北岳、武田写す

写真登山者でにぎわう北岳の稜線(りょうせん)=山梨県の南アルプス、武田写す

地図北岳の地図

 山梨県の南アルプス・北岳(3193メートル)で姿を消したと思われていた国の特別天然記念物ライチョウが元気に生きていることが、信州大学の中村浩志 教授(鳥類生態学)が今月実施した現地調査で分かった。昨年秋には1羽も確認できず、「絶滅したのでは」と心配されていた。

 発見されたのは山頂と北岳山荘付近の2カ所で、それぞれ親鳥が数羽のヒナを連れていた。ヒナは孵化(ふか)して3週間ほどで、テニスボールぐらいの大きさ。急斜面をチョロチョロ動き回り、ハイマツや高山植物をついばんでいた。

 信州大が調査を始めた81年には、北岳周辺に推定で約80羽が生息していたが、ここ十数年で激減。キツネなどの天敵が増えたことに加え、サルやシカが高山帯に上るようになり、ライチョウのえさとなる高山植物を食べていることなどが原因とみられている。

 中村教授は「元々、高山にはいなかった動物がライチョウを追いつめている。駆除などの対策を取らないと、南アルプスのライチョウは絶滅しかねない」と懸念している。(編集委員・武田剛)



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