2008年5月17日土曜日

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「アイヌ民族は先住民族」 国会決議へ超党派で文案作り

2008年05月15日21時54分

 アイヌ民族を先住民族として認め、その権利を尊重することをうたった国会決議の採択を目指し、北海道選出の超党派国会議員らによる「アイヌ民族の権利確 立を考える議員の会」の世話人会(代表・今津寛自民党衆院議員)が15日、衆院議員会館で会合を開き決議文案づくりを始めた。

 世話人会は今津氏のほか、民主、公明、共産、新党大地各党の道関係議員ら6人。決議文案に、アイヌ民族が抱える人権問題などを解決するため、アイヌ民族も含めた有識者による協議機関設置を盛り込むことも決めた。

 決議を目指す動きが具体化したのは、昨年9月に国連で「先住民族の権利に関する宣言」が採択されてから。宣言を踏まえ、今夏の北海道洞爺湖サミッ トに向けて、アイヌ民族の権利確立を求める機運が道内で高まり、サミット前にはアイヌ民族によるNGO主催の「先住民族サミット」も開かれることになっ た。

 政府は96年の有識者懇談会報告書では、アイヌ民族の先住性と民族性を認めているものの、アイヌ民族が先住民族とは認めていない。先住民族と認めれば土地や資源の補償を含めた権利主張が頻発し、対応できなくなるとの懸念が政府側にあるためだ。

 今津氏は会合後、「国会決議を受けて、首相あるいは官房長官からもきちんとした姿勢も示して頂きたい」と述べ、政府側に首相談話などでの見解修正 も求めていく考えを示した。ただ、町村官房長官は15日の記者会見で「国会での動きは承知しているが、政府としてどうするとは何ら決めていない」と明言を 避けた。(神元敦司、稲垣直人)




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