2008年5月29日木曜日

asahi shohyo 書評

グーグル 激変のネット検索 その行く末は

[掲載]2008年05月25日
[評者]山口栄二

 マイクロソフトのヤフーに対する買収提案は失敗に終わったが、ネット検索の世界は今後も激変が予想される。その気配を反映してか、検索エンジンの巨人、Google(グーグル)を論じた本の出版が続いている。

 『グーグルが日本を破壊する』は、売り上げ成長率よりコスト上昇率が高く高コスト体質になっている、売り上げの90%以上が検索連動広告の収入で 新たな収益の柱が育っていない、巨大な中国市場でビジネスをするため中国当局の検閲を受け入れた、などの問題点を指摘。一方で、検索キーワードと連動した グーグルの「アドワーズ広告」は、クリック率などで広告の費用対効果がわかり、見てほしい利用者をねらって広告が打てることから今後こうしたネット広告が 増え、不特定なマスを対象としたテレビCMなどは減っていくだろう、と予測する。

 『アップルとグーグル』は、アップルとグーグルの間に「トップの年俸がわずか1ドルである」「エンジニアを大切にするフラットな組織」「食べ物に こだわる会社のカルチャー」「ユーザーを魅了する遊び心」など多くの共通点があり、両社がもたらす変化は日本の様々な領域に影響を与え、多くの産業が破壊 的なダメージを受けるかも知れないと指摘する。

 『Googleとの闘い』は、1500万冊の本をデジタル化する「グーグル・ブック・サーチ」計画に対して、「一極支配の副産物として彼らが自ら の利益のために世界の考え方を一方的にコントロールしようとすることまでは望まない」と主張。検索結果の上位に英語の本が表示されることを懸念する。

 『Googleが消える日』では、グーグルは、工業化社会を支えてきた広告というビジネスモデルだから、「通信と放送が融合する時代では通用しない」と論評する。


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