2008年10月15日水曜日

asahi shohyo 書評

ドングリと文明 [著]ウィリアム・B・ローガン

[掲載]2008年10月12日

  ドングリの木=オーク(日本でのナラやカシ)が人類の文明化といかに深くかかわってきたかを探る知的好奇心に満ちた本。先史時代からドングリは高栄養の食 糧となり、鉄の精錬のための炭やバイキングの船材からワインの樽(たる)、レオナルド・ダビンチが使った虫こぶのインクまで、著者が挙げるオークと人間の 関係を示す事例の多様さに驚く。狩猟採集から農耕へという人類史の常識に「ドングリ文化」を対置する著者の大胆な仮説を検証する研究が現れてほしい。

    ◇

 山下篤子訳

表紙画像

ドングリと文明 偉大な木が創った1万5000年の人類史

著者:ウィリアム・ブライアント・ローガン

出版社:日経BP社   価格:¥ 2,415

0 件のコメント: