2008年10月8日水曜日

asahi science chemistry Nobel Prize Shimomura danwa

「素晴らしい、だけでは足りない」下村さん知人ら祝福

2008年10月8日22時9分

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 下村さんを発光生物研究の分野に導いた故平田義正・名古屋大名誉教授の妻久子さん(91)は名古屋市守山区の自宅で受賞のニュースを見た。

 「よかったですね。立派な研究をなされた」

 下村さんは昨年、平田名誉教授の追悼シンポジウムに夫婦で出席。墓参りをしてくれた際、透明の容器に入った緑色蛍光たんぱく質のサンプルを手のひらに取り出し、久子さんに見せてくれたという。

 「青というか緑というか、本当にきれいな色で。どういうものか丁寧に説明してくださいました。難しくてよく理解できませんでしたが、世界中の研究で役立っていることは分かりました」と笑う。

 60年に渡米する前、何度か平田名誉教授宅に来たことがあるといい、「温和な人柄は少しも変わっていなかった」と自分のことのように受賞を喜んだ。

 また、追悼シンポジウムで、下村さんは英語で講演した。同じ平田門下で学んだ名古屋大の北村雅人教授(分子触媒)は「木訥(ぼくとつ)とした話し方で、 飾りっ気のない話しぶり。いかにも科学者らしくて非常に好感を持った」と話す。講演後の懇親会では、取り囲んだ出席者たちが「下村さんの研究は絶対、ノー ベル賞ものです」と盛り上がると、「いやいや、何を言うんですか」と穏やかに打ち消したという。

 長崎県佐世保市の中学校で下村さんと同級生だった重信尚義さん(80)は「本当にうれしくて、うれしくて。彼は誇りです」と興奮気味に話した。米 国在住の下村さんとは、メールでやり取りする仲。ノーベル賞候補だと聞いたことがあり、メールで触れると、「宝くじと同じですよ。だれでも当たるものじゃ ない」と返事があった。

 重信さんは「宝くじはだれでも当たる可能性があるが、ノーベル賞はそうじゃない。お祝いのメールをしたいが、素晴らしい、だけでは表現したりない」と話した。



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