壁崩壊20年、絵を「再生」 ベルリン 日本人画家も
ベルリンのイーストサイド・ギャラリーで、修復され鮮やかさを取り戻した絵をながめる観光客ら=金井写す
修復で鮮やかさを取り戻した絵が並ぶベルリンのイーストサイド・ギャラリー。画家の協力が得られずに描き直せなかった所は白いままだ=金井写す
宮武貴久恵さん
【ベルリン=金井和之】東西冷戦の象徴だった「ベルリンの壁」に100余りの絵が描かれているベルリンのイーストサイド・ギャラリーで、約20年の歳月 で傷んだ絵が修復され、6日に「再生」を祝う式典があった。日本人で唯一、壁に絵を描いた三重県四日市市に住む画家の宮武貴久恵さん(54)も出席した。
ギャラリーには約1.3キロにわたりベルリンの壁が残され、90年に21カ国、118人の芸術家が106の絵を描いた。だが、20年近くたち、絵には落書きが目立ち、風雨で消えてしまった所もあったため、壁崩壊20周年にあわせて101作品が描き直された。
式典でウォーウェライト・ベルリン市長は「20年前の壁崩壊で我々は幸せになった。ギャラリーはそれを思い出させてくれる」と喜んだ。9月上旬にベルリ ンに招かれ、「暗闇からのパラダイス」と題した自作を修復していた宮武さんは「記念となる20年目にこの場所に再び来られたのは大変うれしい」と語った。
6人の芸術家は既に死亡しており、仲間が代わりに描き直した。また、5人の芸術家からは協力が得られず、彼らがかつて描いた場所は白い壁のままになっている。
一方、絵が描かれているのは壁の東側だけのため、裏の西側にも絵を描き、「ウエストサイド・ギャラリー」を創設しようという動きも地元で出ている。
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