鞆の浦の埋め立て架橋「破壊的」 イコモス会長が初視察
鞆の浦視察後、記者会見するイコモスのグスタボ・アローズ会長(中央)=4日、広島県福山市鞆町
ユネスコの諮問機関で世界遺産の評価・調査を担当する国際記念物遺跡会議(イコモス)のグスタボ・アローズ会長(61)が4日、広島県福山市鞆(とも) 町の鞆の浦を訪れ、県と市が進める埋め立て・架橋計画について「実現すれば、破壊的な結果をもたらして文化遺産としての価値が失われる」と訴えた。
イコモスは鞆の浦を「世界遺産級」と評価。04〜08年の総会や専門委員会で架橋計画の中止を求める決議や勧告を計4回出しているが、アローズ会 長の訪問は初めて。この日は午後4時前ごろから、江戸期の商家と蔵などが立ち並ぶ町並みや、常夜灯などの港湾施設が残る港を約1時間半見て回った。
アローズ会長は「海と陸側の町並みなど、歴史的に深みのある多彩な要素が一体として存在していることに敬意を表し、高い価値を認めたい」と改めて 評価。知事に埋め立て免許を交付しないよう命じた広島地裁の判決に県が控訴したことにも触れ、「(広島)高裁でも地裁判決が支持されることを望んでいる」 と強調した。
アローズ会長は08年11月にも、当時の金子一義・国土交通相に計画の再考を求める書面を送っている。(松尾俊二)
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