おくりびと・ナウシカ…作曲は天職 久石さん紫綬褒章
紫綬褒章が決まったピアニストで作曲家の久石譲さん=東京都港区赤坂、戸村登撮影
宮崎駿アニメや北野武作品、話題の映画「おくりびと」などで、映像と調和した独自の音世界を築いてきた。音楽を手がけた映画が来春にかけて6本も公開予定という人気ぶりだ。受章の知らせも徹夜続きの仕事場で聞いた。
長野での少年時代、年間300本は映画を見たという。「とくにキューブリックの映画『2001年宇宙の旅』での、宇宙の映像とワルツの出あいは新鮮だった」
中学時代から作曲らしきことを始め、20代は現代音楽に取り組んだ。宮崎監督の「風の谷のナウシカ」(84年)をきっかけに、より多くの人々に親しまれ る"町中(まちなか)の音楽家"に転じた。心がけるのは「映像と音楽が対等であること。説明するのではなく、きちんと距離を置いてどれだけ映像に貢献でき るか」。
ゼロから作品を生み出す作曲は、天職だという。「音楽って、感情的に受け入れられる一方で、非常に論理的。きちんとしたシステムさえ組めれば、無 駄な音のない、それぞれの人の思いが投入される曲が出来るはず。自分としては道半ば。受章を励みに、より良い曲を作っていきたい」
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