2008年3月25日火曜日

kumanichi society tabako tobacco rojokitsuen banned street smoking

2008年3月25日 07:05


路上喫煙など「過料千円」 熊本市中心街 
路上喫煙とごみポイ捨て禁止を呼びかける看板を前に、街頭パトロールをする指導員=熊本市の下通アーケード
路上喫煙とごみポイ捨て禁止を呼びかける看板を前に、街頭パトロールをする指導員=熊本市の下通アーケード
 熊本市中心部の上通、下通、新市街の各アーケード街で歩きたばこや吸い殻などのごみポイ捨てをした場合、四月一日から「過料千円」が徴収される。昨年七 月施行の同市の「路上喫煙及びポイ捨て禁止に関する条例」に基づく措置で、県内初の試み。市は「罰則を科すのが目的ではない」と、市民のマナー向上に期待 している。

 同条例は安全、きれいなまちをつくるのが目的。三つのアーケード内を「路上禁煙区域」と「美化重点推進区域」とし、警察OBの指導員が四人体制でパトロールや街頭指導を続けている。

 条例は罰則について「一万円以下の過料」と規定。一定の周知期間を経たことから、同様の条例を持つ他自治体を参考に、「ある程度のペナルティー 効果があり、きちんと徴収できる額」(市廃棄物指導課)として千円の過料を決めた。過料は金銭罰の一種で、刑罰である罰金や、罰金より少額の科料とは違 う。

 市によると、中核市以上と九州の県庁所在地でポイ捨て関連条例を持つのは六十一自治体。うち具体的な過料額を設けているのは二十二自治体で大半が二千円か千円。

 運用は"厳格派"と"寛容派"に分かれているようで、二〇〇二(平成十四)年十一月、全国に先駆けて路上禁煙条例を施行した東京・千代田区は禁煙地区で歩きたばこをしたら問答無用で二千円を徴収。徴収件数は二月末までの累計で四万二千二百三十件に上る。

 「『知らなかった』と言い訳する違反者もいるが、不公平にならないよう一律に過料を科している」と同区安全生活課。こうした厳格派の一方、ごみ ポイ捨てと犬のふんの不始末に二千円の過料を設けている鹿児島市は〇五年四月以降、徴収実績がない。同市環境衛生課は「再三の指導で改善しない場合に過料 を科すことにしているが、指導段階で理解していただいている」と説明する。

 具体的に過料額を定めている二十二自治体のうち十二自治体は鹿児島市のように徴収実績ゼロの寛容派。熊本市は四月以降、指導員の口頭指導に従え ば過料を徴収しない方針で、寛容派に近い運用になりそう。指導に素直に従わない場合は告知・弁明書に署名後、現金か銀行振り込みで払ってもらう、としてい る。

 熊本市でポイ捨て条例が施行されて八カ月余。市調査(朝、昼、夕各一時間、下通アーケードで実施)によると、施行前の昨年六月に調査一回当たり のごみ散乱数は七百九十個だったが、十二月調査では三百五十八個に半減。下通アーケードで清掃活動をしている下通繁栄会女性部の宗方和子部長(69)は 「たばこのポイ捨てが随分減った」と条例効果を認める。

 ただ指導件数は月平均千件前後と減っていない。「日中堂々とアーケード内で歩きたばこをする人はさすがに減ったが、酔客の多い夜間は指導件数が まだまだ多い」と指導員の一人(61)。大半が「つい、うっかり」「知らなかった」を言い訳にしており、熊本市は罰則適用を呼びかける看板の増設やホテ ル・旅館へのポスター配布といった周知徹底に力を注いでいる。(前田克)


0 件のコメント: