2008年3月14日金曜日

asahi nature science animal okinawa オキナワトゲネズミ

希少オキナワトゲネズミ、さらに4匹捕獲

2008年03月13日21時54分

 世界自然保護基金(WWF)ジャパンは13日、沖縄県北部で今月初めに30年ぶりに捕獲されたオキナワトゲネズミを、さらに4匹捕まえたと発表した。絶滅が心配されていたが、今回は幼いネズミも見つかり、繁殖している群れがいるらしい。

 調査チームが国の許可を得て捕獲用のワナをしかけたところ、9日に新たに4匹がワナにかかった。雄1匹、雌2匹に性別不明が1匹。このうちの1匹は同じワナに入り込んだ蛇にかまれて死んだが、残りは調査後、すべて森に放された。

 WWFは調査をこれでいったん終え、集めたデータを生息地の保全などに役立てる。ワナを改善した後、今年末ごろに調査を再開する予定だ。

 オキナワトゲネズミは国の天然記念物。普通の毛に交じって硬くとがった毛が生えていることが名前の由来とされる。野ネコに食べられるなどして減り、最近は目撃例も絶えていたが、今月3日に30年ぶりに1匹つかまり、生存が確認された。



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絶滅危惧種のオキナワトゲネズミ、15年ぶり撮影成功

2008年03月04日11時58分

 過去15年間、生息情報がなく、絶滅が心配されていた沖縄本島・やんばるの森のオキナワトゲネズミの撮影に、沖縄県文化財保護指導委員で写真家の久高将 和(くだか・まさかず)さん(56)と朝日新聞社のチームが成功した。環境省のレッドリストでは、10年前に絶滅の危険性が極めて高い「絶滅危惧(きぐ) 1A類」に分類され、森林総合研究所と環境省も昨年から生息調査をしている。

写真

やんばるの奥深い森にひっそりと生きていたオキナワトゲネズミ

地図

沖縄やんばるの地図

 森林総合研究所の生息調査に協力している久高さんと朝日新聞社が07年春、ネズミが通りそうな場所に共同で自動撮影装置付きのカメラを4台設置した。赤外線センサーを備え、体温のある生き物が通るとシャッターがおりる。

 2月28日午前3時、そのうち1台がオキナワトゲネズミの姿を2カットとらえた。森林総研関西支所の山田文雄研究調整監は、針状の毛や、腹のあたりの白っぽい毛などの特徴から「オキナワトゲネズミに、ほぼ間違いない」と話す。

 オキナワトゲネズミは体長15センチ程度。野生化した猫に食べられるなどして、70年代以降、激減した。93年に県内の写真家湊和雄さん(49)が撮影して以降、目撃や捕獲の記録がなかった。

 トゲネズミの仲間は600万〜1000万年前、中国大陸と南西諸島が陸続きだったときに大陸から北上し、奄美大島のアマミトゲネズミ、徳之島のトクノシマトゲネズミ、沖縄本島のオキナワトゲネズミと島ごとに進化したと考えられている。いずれも国の天然記念物だ。



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オキナワトゲネズミ、30年ぶり捕獲 沖縄

2008年03月05日20時14分

 絶滅が心配されていた珍しいネズミの仲間、オキナワトゲネズミが30年ぶりに沖縄県北部のやんばるの森で捕獲された。世界自然保護基金(WWF)ジャパンが5日、発表した。

 生息調査を委託された森林総合研究所によると、沖縄県国頭村(くにがみそん)で3日、1匹がワナにかかった。頭からしっぽの先まで約23センチ、体重139グラムの雌で、調査の後、すぐに森に放たれた。

 オキナワトゲネズミは国の天然記念物。朝日新聞社などの調査チームが2月28日、自動撮影装置で15年ぶりに姿を撮影。森林総研が撮影地点付近にワナを 仕掛けたところ、ネズミがかかった。野ネコの糞(ふん)に含まれた体毛は5年前に見つかっていたが、生きたネズミの捕獲は78年以来という。

 森林総研関西支所の山田文雄・研究調整監によると、今回捕獲するまでの2年間で2000回以上もワナを仕掛けた。山田さんは「ほとんど絶滅したと思っていた。生息数や分布域はまだわからない」と話している。





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