2010年6月9日水曜日

asahi science biology archeology dinosaur doromaeosaurusu Fukuititan Nipponensis Fukui

福井で発掘の草食恐竜、新種だった 国内4例目

2010 年6月8日23時1分

写真:フクイティタン・ニッポネンシスの想像図=福井県立恐竜博物館提供フクイティタン・ニッポネンシスの 想像図=福井県立恐竜博物館提供

写真:フクイティタン・ニッポネンシスの化石=福井県勝山市、西山写すフクイティタン・ニッポネンシスの化 石=福井県勝山市、西山写す

写真:フクイティタン・ニッポネンシスの化石=福井県勝山市、西山写すフクイティタン・ニッポネンシスの化 石=福井県勝山市、西山写す

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 福井県立恐竜博物館(勝山市)は8日、勝山市の白亜紀前期(約1億2千万年前)の地層で発掘した大型草食恐竜の化石が新種とわかり、「日本産の福井巨 人」を意味する「フクイティタン・ニッポネンシス」との学名をつけたと発表した。

 新種であることに専門家の間で異論がなく、論文が中国の科学誌「アクタ・ジオロジカ・シニカ」電子版に掲載されたことで学名が認められた。学名がついた 国内の恐竜は4例目で、うち3例は同博物館が発掘した。

 フクイティタンは長い首や尾を持つ四足歩行の「竜脚類」。このうちブラキオサウルスなどと同じティタノサウルス形類に入り、同形類では比較的小さい全長 約10メートルという。

 同博物館が2007年7月から08年までに計18点の化石を発掘した。同形類の他の恐竜と比べ、歯が細長く非対称で内側のへこみが弱く、前脚の上腕骨も 細長い。尾の骨「尾椎(びつい)」は前方がふくらんで後方がへこんでおり、こうした特徴から新種と判断した。

 同博物館は1989年以降、同じ地層で中型草食恐竜のフクイサウルス、中型肉食恐竜のフクイラプトル、小型肉食恐竜ドロマエオサウルス類の新種とみられ る未命名の恐竜の化石も発掘してきた。東洋一(あずま・よういち)特別館長は「全く違う種類の恐竜が同じ地層から四つも見つかった。これで日本に恐竜の群 れがいたと胸を張って言える」と喜ぶ。フクイティタンの化石は7月9日から同博物館で展示される。

 国内では、兵庫県丹波市で同じティタノサウルス形類とみられる化石が見つかり、愛称「丹波竜」と呼ばれているが、現時点で学名はついていない。中国など でもフクイティタンに特徴が似た恐竜の化石が発見されている。(西山明宏)





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