2010年6月25日金曜日

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書籍の全文検索を実験 電子化ルール作り、3省が方針

2010年6月22日

 電子書籍の流通促進のためのルール作りを検討してきた文部科学、経済産業、総務の3省によ る懇談会が22日、報告書をまとめた。書籍の電子化を進めてきた国立国会図書館が出版社などと連携し、蔵書の全文検索サービスの実験を始める方針を打ち出 した。

 実験は、作家や出版社などの合意を得た範囲内で、同館が電子化した蔵書や、出版社が提供する電子化した書籍の本文を、パソコン などで検索できるようにするもの。ただ同館の長尾真館長が提唱してきた、電子化した蔵書を一般の人にネット経由で有料公開する構想に、講談社など大手は反 発しており、実験に参加するかどうかは不透明だ。

 報告書には、電子時代の図書館のあり方を検討する協議会の設置も盛り込まれた。書籍の電子化が進むことで、図書館のサービスの 利便性が高まり、書籍を買わない人が増える、との懸念を出版社などが訴えたためだ。

 また、電子書籍の流通促進にとって鍵となる著作権の管理について、方向性が異なる二つの方策が盛られた。

 書籍を電子配信する際の著作権処理のコストを下げるため、著作権を集中管理するしくみを、著作者や出版社などによる会議を設け て検討することにした。一方、作家や出版社などが各自で著作権を管理し、IT(情報通信)技術を駆使して効率的に処理する実証実験もすることにした。(赤 田康和)





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